糞便検査

糞便検査は、ウンチの検査です。一般的な直接塗抹検査の他、浮遊法検査、細菌培養検査、糞便グラム染色検査などいくつかの特殊検査があります。

糞便検査:Fecal Examination

・糞便検査はどんな検査?

糞便を採取して、消化管寄生虫や病原細菌、ウイルスの有無、下痢のスクリーニング、健康診断としても行われる代表的な検査です。
検査は、普通にウンチをした(自然排便)便や動物病院ではプラスチック製の採便棒を肛門から入れて採取して行います。採取した便を肉眼で観察したり、顕微鏡で観察したりします。

 
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ご自宅での採便

一般的な糞便検査に必要なウンチの量は1g程度あれば十分です。だいたい親指の第一関節あたりまで大きさ程度と考えてください。その程度の量を密閉された容器に入れてご持参ください。また、下痢や血便がある場合は全体をスマートフォンなどで写真を撮って見せて頂けると診断の助けになることがあります。

・糞便検査で何が分かるの?

ウンチから様々なことが分かります。まず、肉眼で観察することにより 糞便量 / 硬さ / 色 / 臭気 / 粘液付着有無 / 血液成分の混入有無 / 寄生虫 などをみることができます。次に顕微鏡による直接塗抹検査で、寄生虫卵の有無 / 運動性病原体の有無 などを観察します。
その後、必要に応じて浮遊法検査、細菌培養検査、グラム染色検査、糞便細菌培養検査などいくつかの特殊検査が必要になることもります。

主な検査項目と解釈

◎肉眼的検査
◎直接塗抹顕微鏡検査

少量の便を直接スライドガラスに乗せ、顕微鏡で観察します。簡単に検査することができ、糞便検査の基本となります。必要に応じて検査薬を滴下したり、染色液で染色したりします。

(1)寄生虫卵

犬回虫、猫回虫、マンソン裂頭条虫、瓜実条虫、糞線虫、犬小回虫、鉤虫、鞭虫 など

(2)原虫

コクシジウム、トリコモナス、ジアルジア など

(3)細菌

消化管内細菌の異常増殖の有無(芽胞形成菌、酵母、らせん菌 など)

◎浮遊法検査

直接塗抹顕微鏡検査では見つけにく寄生虫卵や病原体を飽和食塩水などで糞便を溶かし、比重の差を利用して検出する検査です。

◎糞便細菌培養検査

細菌性腸炎の原因菌を確定するためや難治性の下痢で病原体の確定が必要な場合に外部の検査機関に依頼して行いますが、最近は細菌培養検査ではなく病原体の遺伝子検査(PCR検査)も増えてきました。

◎糞便グラム染色検査

下痢などの場合に、消化管内細菌のバランスや異常増殖の有無(芽胞形成菌、酵母、らせん菌 など)を確認するために行います。

※糞便検査の内容や項目は、目的により異なります。また、ここに掲載した以外にもいくつか検査があります。

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検査時間

採  便:数分以内(自然採便あるいは採便棒)
検査結果:院内検査なら数分から30分程度、特殊な院外検査なら数日

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注意事項

ーできるだけ新鮮な便をご持参ください。
ー便をご持参いただいても、新鮮便が必要な場合は病院で採便することがあります。