蛋白喪失性腸症:PLE(Protein-Losing Enteropathy)

胃蛋白喪失性腸症の治療

原因に応じた治療を行います。慢性の炎症性腸疾患がある場合には消炎剤、免疫抑制剤などの投与を行い、腸リンパ腫などが原因の場合は抗がん剤の投与などを行います。併せて、脱水や嘔吐、下痢などの症状に対する対処療法を行ないます。

その他、腸に負担の少ない処方食を用いた食餌療法を同時に行なうこともあります。

蛋白喪失性腸症の予防

蛋白漏出性腸症の発症を予防することは難しいため、体重減少が続いたり、下痢が慢性的に続いているときなどは、早めに動物病院での診察を受けましょう。また、日頃からきちんとしたペットフードを与えることを心がけましょう。

蛋白喪失性腸症の看護/その他

蛋白漏出性腸症は、慢性消化器疾患の状態の中でも特に注意が必要な状態で、早急な原因の発見または治療の開始が必要になります。未治療のままでいると、最終的には腹水や胸水、浮腫、血栓症などを起こし、命にかかわりますのでただの慢性の下痢などと侮ってはいけません。
蛋白漏出性腸症が疑われた場合、治療効果などをみながら、一歩一歩検査や治療を進めていく必要があったりすることも多いものです。時間や費用がかかることもあり、じっくりと向き合っていかなければなりません。

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参考文献・資料等
  1. 犬の内科学診療 Part3:83-89;蛋白漏出(喪失)性腸症
  2. Canine Protein Losing Enteropathies and Systemic Complications
  3. Comparative pathophysiology and management of protein-losing enteropathy
  4. Chronic Diarrhea in Dogs – Retrospective Study in 136 Cases
  5. Proposal for rational antibacterial use in the diagnosis and treatment of dogs with chronic diarrhoea
  6. Narrative review of therapies for chronic enteropathies in dogs and cats


<1>タンパク喪失性腸症の犬の低マグネシウム血症に起因した二次性上皮小体機能低下症
<2>犬における蛋白漏出性腸症を併発した慢性腸症の治療に対するクロラムブシル – プレドニゾロンによる治療とアザチオプリン – プレドニゾロンによる治療との比較:27例(2007-2010)
<3>腸リンパ管拡張症の治療における食事脂肪制限の臨床的有効性
<4>ヨークシャー・テリアにおける蛋白漏出性腸症の臨床的特徴、腸の病理組織学的所見および転帰
<5>超音波検査所見、臨床活性インデクス(CIBDAI)、および慢性腸症の犬の診断における比較
<6>犬の慢性腸疾患:負の転帰に関連する危険因子の評価
<7>超音波画像における犬の腸粘膜高エコー線条に関連した乳糜管拡張
<8>ビタミンK
<9>犬の蛋白喪失性腸症は糞便中の蛋白質分解活性の減少に関連している
<10>低アルブミン血症の犬におけるイオン化低カルシウム血症の予測因子としての調整されたカルシウム濃度
<11>慢性腸疾患罹患犬における抗好中球細胞質抗体の検出に対する人用に設計された顆粒球免疫蛍光アッセイの使用
<12>リンパ管拡張症の犬における小腸の超音波画像病変の被視認性に対するコーンオイル経口投与の影響
<13>蛋白喪失性腸症に罹患した犬における血液凝固性亢進
<14>レース用アラスカンスレッドドッグにおける消化管蛋白喪失、胃潰瘍またはびらんと激しい運動との一時的な関連性
<15>ひだ状小腸の超音波所見と病因学
<16>犬の腸管リンパ管拡張症

この記事を書いた人

福山達也