低用量デキサメタゾン抑制試験(LDDS)

低用量デキサメタゾン抑制試験とは?

コルチゾールは、下垂体からのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の刺激によって分泌されます。低用量デキサメタゾン抑制試験は、副腎皮質機能亢進症が疑われた場合に行う検査で、他の特殊検査に比べ最も感度、特異度、信頼性の高い検査です。但し、この検査では医原性副腎皮質機能亢進症を検出することはできません。また、下垂体依存性副腎皮質機能亢進症(PDH)と副腎腫瘍(AT)を区別することもできません。

検査方法

低用量のデキサメタゾンを注射し、注射前、注射4時間後、注射8時間後の3回採血を行い、血液コルチゾール値を測定します。

低用量デキサメタゾン抑制試験の結果評価基準(犬)

注射8時間後の血液コルチゾール値が1.4μg/dl以上の場合、副腎皮質機能亢進症とみなされます(感度90%)。
※以下の表は当院で使用している富士ドライケム IMMUNO AUによる測定結果の判定表です。検査機器や機関により異なりますのでご注意ください。厳密には臨床症状・血液化学検査・エコー検査等と合わせて総合的に判断します。

結果の解釈 投与前 投与4時間 投与8時間
正常 1.0~6.0μg/dl 1.4μg/dl未満
下垂体性副腎皮質機能亢進症 1.4μg/dl未満または投与前の値の50%未満
1.4μg/dl未満または投与前の値の50%未満 1.4μg/dl以上
下垂体性副腎皮質機能亢進症または副腎皮質腫瘍 1.4μg/dl以上 1.4μg/dl以上

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検査時間

検 査:8時間以上かかります。

検査結果:最終報告書までは9〜10時間くらいかかることがありますので、時には検査結果だけお伝えして、報告書は後日お渡しとなることもあります。

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注意事項

  • 検査に8時間かかります。当日は9:30までに動物を当院まで連れてきてください
  • 検査結果はストレスに影響することがありますので、できるだけ普段通りでストレスを与えないようにしてください。
  • 神経質な犬は病院内で検査を実施するだけで強いストレスが加わり、コルチゾール濃度が上昇してしまうことがります。
  • 検査料金には静脈注射量、採血料(3回)、半日入院料などのすべての料金が含まれています。