4-9 骨髄内カテーテルの設置

設置位置

骨髄内カテーテルの設置は、迅速な静脈確保が困難な場合や、静脈留置カテーテルの設置がうまく行かない場合に考慮します。骨髄内カテーテルによって投与された薬剤は迅速に中心循環に運ばれます。

骨髄内カテーテルは様々な部位に設置することができますが、上腕骨、大腿骨、脛骨への設置が最も一般的です。その中でも上腕骨は心臓までの距離が最も近いことから、心肺蘇生時に使われる薬剤の多くがその作用部位へ最短時間で達することができます。

 

 

胸部圧迫時は前腕骨が胸部に近いことから、上腕骨よりも胸部から離れた脛骨や大腿骨への骨髄内カテーテル設置の方が簡単であることが多いのですが、心臓からの距離を考慮して、設置可能であれば上腕骨を骨髄内カテーテル設置の第一選択とします。

骨髄内カテーテル設置方法

骨針

成犬・成猫では、骨髄針やスタイレット付きのカテーテルを用いることで、骨皮質が針内腔に詰まることを防ぐことができます。

幼犬・幼猫では、18〜20ゲージのスタイレット無しの通常の針を使用することができます。その代わりにスタイレット付きの脊髄針を使用することで、骨皮質が針内腔に詰まることを防ぐことができます。

骨ドリル器具

市販の骨ドリル器具を使用することで素早く骨髄内カテーテルを設置することもできます。