そもそもワクチンって何?
ワクチンとは病原菌やウイルスによる感染症を予防するために、病原体を無毒化または弱毒化したものを注射したり飲ませたりし、感染症への抗体(感染症という敵に対して防御する体の働き)を作ることで、感染症に対する免疫力をつけるためのものです。人だとインフルエンザワクチンなどが有名ですね。病気になってから治療するのではなく、病気にならないようにしたり、仮に病気になっても症状を軽くする効果があります。
コアワクチン | ノンコアワクチン |
---|---|
ジステンパーウイルス、犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)・犬伝染性喉頭気管炎(アデノウイルス2型)、パルボウイルス感染症(2型)、狂犬病ウイルス | パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス、レプトスピラ症※1 |
※1:人と動物の共通感染症、レプトスピラはネズミの尿から感染し、人にうつることもある西日本を中心とした怖い病気ですが、最近東日本でも見られるようになってきています。
※当院では2019年より紙の証明書だけでなく、デジタル混合ワクチン予防注射証明書も無料発行しております。当院で混合ワクチン予防注射を接種された方はマイページからログインしていつでも最新の混合ワクチン予防注射接種日や次回接種予定日をご確認いただけます。詳しくは当院受付にてお尋ね下さい。
video_library
ワクチン接種を動画で学ぼう
壱岐動物病院併設ペット美容室・ペットホテルBOW-MEOWでは店内感染防止の為、5種混合ワクチン以上未接種のワンちゃんをペットホテル、ペット美容室で受け入れることはありません。
help_outline
日本の混合ワクチン接種率はどれくらいですか?日本のワクチン接種率は欧米に比べ非常に低いのが現状です。実は、まだまだ動物の健康に対して発展途上国と言ったレベルなのです。壱岐はこのデータよりまだ低い状況です。一旦どこかから伝染病に入り込まれると一挙に広がります。2017年の猫パルボウイルスの大流行がいい例です。定期的な追加接種や抗体チェックはかかせません。
report_problem
ワクチン接種後の注意事項
ー
□接種後、元気や食欲がなくなったり、軽い発熱があったり、便が柔らかくなることがありますが、通常は数日で回復します。
□まれに高熱、嘔吐、下痢、けれん、唇や眼の腫れ、かゆみ、じんましん、などの副反応が見られることがあります。このような場合はすぐに当院にご連絡ください。
□非常に稀ですが、アナフィラキシーが起こる(1万回中7.2回:発生率0.07%[2])ことがあります。これは接種後5分以内に半数が起こり、ほとんどが60分以内に起こることが多いものです[2]。ご心配であれば院内もしくは駐車場で接種後1時間ほどお待ちください。
□過去にワクチン接種や他の注射、食餌などで、アナフィラキシーを起こしたことがある場合はお申し出ください。予防的処置を事前に行いワクチン接種を致します。
□当院は24時間対応病院ではありませんので、ワクチン接種はできるだけ午前中にされることをお勧めします。
□特に生後1年目でワクチン接種がきちんと終わっていない段階で、ワクチン未接種や病気のワンちゃんに近づいたり(人間のご家族も)、多くの動物が集まるような公園やドッグラン、ペット美容室へは連れて行かない方が無難です。また長距離移動も避けましょう。
help_outline
ワクチンの副反応はどれくらいの確率ですか?海外のデータですが、犬のワクチンの副反応(非特異的ワクチン反応、アレルギー反応、じんましん、またはアナフィラキシー)発現率は1万回中38.2回(0.38%)と報告されています。また、体重が重いほど副反応はでにくくなります[1]。(追記)その後、日本でのデータを見つけました。その論文だと有害副反応発生率は1万回中62.7回(0.63%)と報告されています。やや海外の報告より高い結果になっています。また1件死亡例(発生率0.0017%)も報告されています。[2]。
ちなみに日本で人が1年間で交通事故にあう確率は0.9%ほどです。
help_outline
なぜ、子犬や最初の年はワクチンを何回か接種するのですか?産まれたばかりの子犬は、母犬の母乳を飲むことで、病気と戦う抗体をもらいます。これにより、数週間~数カ月の間は病気から守られます。ただし、子犬に母乳からの抗体が多く残っている間にワクチンを接種しても、ワクチンによる予防効果はうまく発揮されません。厄介なことに抗体の残り具合はそれぞれの子犬で違います。その子犬の抗体がどの程度まで減ったかどうか予測することができないので、最初はほとんどの子犬が切れ始める時期から何回かの接種が必要なのです。
また、最初の年は1回ではなく2回以上接種することで、ブースターといって2段ロケットのようにより高く確実なワクチン抗体を得ることができます。
抗体検査ワクチチェック
推奨1:仔犬の3回目のワクチン後4週間以降での確認
推奨2:追加接種時での確認
library_books
参考文献・資料等
- Adverse events diagnosed within three days of vaccine administration in dogs.
- Large-scale survey of adverse reactions to canine non-rabies combined vaccines in Japan.
- 犬パルボワクチンの抗体応答が見られなかった2症例
- 伴侶動物治療指針 Vol.9; 430-434:ワクチン接種後アレルギー反応
- 犬と猫のエマージェンシー対応
[WR21,VQ21:]