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呼吸器科(猫)
猫喘息
猫は犬に比べ慢性的な咳をすることが少ない動物です。猫の喘息(ぜんそく)は、そんな中でも何かしらの原因による気管支の慢性炎症により、分泌物の増加が起こって気道が狭くなり、慢性的な発咳や重度な呼吸障害(喘息発作)を起こす病気です。この病気はヒトの喘息に似ています。 若齢〜中年齢の猫に見られ、性別には関係なく、多くの品種の猫に見られますが、シャム猫に多いとする報告もあります。アメリカでは20匹に1匹(5%)が罹患する慢性呼吸器疾患だとも言われます。 猫喘息と確定診断するまでには様々な検査が必要になりため、発咳を症状とする気管支疾患を猫気管支疾患と総称して呼ぶこともあります。 -
泌尿器科(猫)
尿道閉塞(猫編)
※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペッ […] -
泌尿器科(猫)
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)とは、腎臓に多数の嚢胞(液体などがたまった袋状の構造)ができ、不可逆性(一度起きてしまうと元に戻らない)で、腎機能が徐々に低下していく遺伝性の病気です。多発性嚢胞腎は、ヒトでは難病指定されている疾患です。 特にペルシャ猫(日本での報告で70%)や、ペルシャ猫と血縁関係のある長毛猫に多く見られますが、日本では、アメリカン・ショートヘア(近年増加中)やスコティッシュホールド、雑種などでもみられ、1,000頭に1頭くらいで見られるのではないかと言われています。 多くの場合、気づかないまま進行し、4歳から7〜8歳くらいまでの間に慢性腎臓病の症状が見られるようになります。 -
泌尿器科(猫)
慢性腎不全/慢性腎臓病CKD(猫編)
慢性腎臓病(まんせいじんぞうびょう)は以前は慢性腎不全(まなんせいじんふぜん)などとも呼ばれていた病気で、特に猫は他の動物に比べ、慢性腎臓病になりやすい傾向があり、5歳以上の猫の死亡原因として最も上位に挙げられ、7歳以上のシニア猫のうち30~40%は腎臓病を患っていると言われていて、15歳以上の30〜81%は罹患していると言われています。アビシニアン、ロシアンブルー、ペルシャ、チンチラ、シャム猫、ヒマラヤンなど一部の猫には遺伝も考えられます。 一度悪くなってしまった腎臓の組織は治療しても元には戻りませんので、なるべく早期に発見して進行を遅らせるような治療をするのが重要となります。まずは病気をよく理解して、快適に長生きさせてあげられるようにしましょう! -
循環器科(猫)
大動脈血栓塞栓症
大動脈血栓塞栓症(だいどうみゃくけっせんそくせんしょう)は、心筋症(肥大型心筋症など)や感染性心内膜炎、自己免疫疾患などで発生した血栓(血のかたまり)が大動脈に詰まることにより起こる病気です。 特に猫では中年期から高齢期(平均7.7歳)に、心筋症に続発して非常に多く見られます。また、雄に多いと言われています。 大動脈血栓塞栓症になると、血栓が腹部大動脈に詰まってしまい、後肢の血流を遮断してしまいます。そうなると、猫は突然、非常に痛がり、後ろ足が立てなくなり(後肢麻痺)、呼吸も荒くなります。 -
循環器科(猫)
肥大型心筋症
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トピック
歯周病
歯周病(ししゅうびょう)とは、歯肉炎(しにくえん)により歯肉が腫れたり、歯を支えている歯周組織が破壊されてしまう歯周炎(ししゅうえん)などが起こる歯科の病気です。 歯周病が進行すると歯を支えている顎の骨である歯槽骨(しそうこつ)がどんどん溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちたり、ひどい時には下顎が骨折してしまうことさえあります。 3歳以上の犬猫の約8割は歯周病だと言われ、発症率は年齢とともに増加し、歯周病とともに引き起こされる感染症は腎臓、心臓、および代謝系に影響を及ぼすことが研究でわかっています。 -
寄生虫科(犬)
マンソン裂頭条虫症
マンソン裂頭条虫(まんそんれっとうじょうちゅう)症とは、犬や猫の小腸にマンソン裂頭条虫が寄生する病気です。1882年にパトリック・マンソンにより発見されたためこの名前で呼ばれているようです。ほとんどの場合は寄生しても無症状ですが、多数寄生した場合は下痢などの消化器症状が現れることもあります。 人間も感染する寄生虫ですが、犬や猫から移ることはありません。日本国内では猫での発生が多く、地域によっては30〜45%と高い感染率を示します。犬ではほとんどの地域で数%程度です。また、中間宿主の減少により都市部では近年ほとんど感染例がなく、地方都市や郊外での発生が多い寄生虫です。壱岐でも多く見かけます。 -
犬の病気
悪液質
悪液質(あくえきしつ)とは、何らかの病気により栄養失調が起こり、衰弱した状態です。一般的な飢餓(きが)とは区別されるます。なぜなら飢餓は脂肪が消費されますが、悪液質は脂肪と共に筋肉も萎縮するためです。 -
犬の病気
緑内障
眼球の中は眼房水(がんぼうすい)と呼ばれる透明な液体で満たされています。眼房水は、角膜・水晶体・硝子体など眼球内で血管のない組織に栄養分を与えたり、老廃物を除去する役割を担っており、眼球内の毛様体という部分で産生され、これにより眼圧(眼球内の圧力)を一定に保つことで目の丸い形状を保っています。 緑内障(りょくないしょう)は何らかの原因によってこの房水の流れが悪くなり、眼圧が高くなってしまうために、眼が、牛眼(ぎゅうがん)といって牛の眼のように大きく突出してきて、様々な症状を引き起こす病気です。高い眼圧が持続すると網膜に障害が起こり、最悪の場合には視力が失われ、失明します。緑内障は犬の失明の原因となる代表的な眼科疾患のうちの一つです。 緑内障は大きく分けて、原発性緑内障と続発性(二次性)緑内障の2つにわけることができます。 また、その経過時間から急性緑内障と慢性緑内障に分けられます。 -
人獣共通感染症
猫小穿孔ヒゼンダニ症/猫疥癬症
猫疥癬症(ねこかいせんしょう)は、猫ヒゼンダニ(猫小穿孔ヒゼンダニ)というダニによって起こる皮膚病です。このヒゼンダニは皮膚にトンネルを作って寄生するため、激しい痒みや皮膚炎を起こします。 伝染性がとても強く、感染している猫との接触や多頭飼育の場合、ブラシやタオルの共有などによっても感染します。また、感染した猫ちゃんを抱っこすることなどで、人にも感染する人獣共通感染症:ズーノーシス(zoonosis)であり、感染すると腕やお腹などに発疹ができて強い痒みの症状がみられる場合があります。特に抵抗力の弱い病人や子供、老人などが感染すると症状が重くなるため注意が必要です。 -
コラム
猫の炎症マーカー vf-SAAが病院内で測定できるようになりました。
猫はよく病気を隠してしまう動物だと言われます。日々診察していると「なんとなく元気がない」とか、「なん […]