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人獣共通感染症
犬疥癬症
疥癬症(かいせんしょう)は目に見えないくらい小さなヒゼンダニ(イヌセンコウヒゼンダニ)により伝染する皮膚病で、激しいかゆみを引き起こします。このかゆみの原因は、ヒゼンダニが皮膚にトンネルを作り、そのトンネル内に出した糞や分泌物に対するアレルギー反応です。 このヒゼンダニは、犬からほかの動物へ簡単に感染し、人にも感染するので注意が必要です。 人にも感染する人獣共通感染症:ズーノーシス(zoonosis)であり、感染すると腕やお腹などに発疹ができて強い痒みの症状がみられる場合があります。特に抵抗力の弱い病人や子供、老人などが感染すると症状が重くなるため注意が必要です。 -
消化器科(犬)
膵炎(犬編)
膵炎(すいえん)とは、膵臓に炎症が起こる病気のことで、大きく分けて「急性膵炎」と「慢性膵炎」があります。中齢〜高齢の肥満した雌に多く発症する傾向があると報告されています。犬種では、急性膵炎は、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、その他のテリア種にも多いと言われ、慢性膵炎は、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル、ボクサー、ラフ・コリーなどに多いと言われています。 膵臓では、非常に強力な消化酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなど)が作られ、「タンパク質や脂肪、炭水化物を分解し、血糖値をコントロールするためにインスリンを出す」などの役割を担っています。 これらの消化酵素は通常、膵臓を傷つけないよう十二指腸へ運ばれてから活性化します。しかし、なんらかの原因で消化酵素が膵臓内で突然活性化することで、自分で自分の膵臓を消化してしまい、傷つけてしまうことで「急性膵炎(きゅうせいすいえん)」が起こります。症状が重いものでは膵臓の炎症が他の臓器に広がり、肝臓や腎臓の障害も引き起こすことがあります。さらに、重症では全身の血管内で微小な血栓が形成され、それが血管内で詰まるってしまうDIC(播種性 -
人獣共通感染症
トキソプラズマ症
トキソプラズマは、原虫と呼ばれる顕微鏡でみなければみえないような小さな寄生生物で、世界中の猫(ネコ科動物)、豚、犬、鳥類などに感染がみられます。この原虫は人間にも感染し、人と動物の共通感染症(ズーノーシス)ですので、注意が必要です。しかしながら、大部分は症状が出ない不顕性(ふけんせい)感染であり、日本人では成人の20〜30%がすでにトキソプラズマに対する抗体を持っていることが知られています。 妊娠初期の女性がトキソプラズマ症に初感染すると胎児にも感染し、流産や死産などの原因にもなる可能性があるので注意が必要です。 -
消化器科(犬)
カンピロバクター症
カンピロバクターは螺旋状またはS字状に湾曲した細菌で、回転運動を行いながらすばやく動きます。人では食中毒の原因となる代表的な菌で、細菌性腸炎を起こします。カンピロバクター菌に汚染されてしまった食べ物を食べたり、飲んだりして感染し、キャンピロバクター症とも言われます。 カンピロバクター菌は自然界のあらゆるところに生息しており、人にも感染し(人と動物の共通感染症)、多頭飼育の場合は特に他の動物へも感染が起こりやすくなります。犬や猫の腸管に常在していますが、保菌率はそれほど高くない(1%前後)とされています。また、免疫力の低い子犬や子猫、ストレスの多い環境下や免疫力が低下しているときに発症することがあります。 -
トピック
粟粒性皮膚炎
粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)は、猫の皮膚病として最もよく見られる症状の一つです。粟粒性皮膚炎とは診断名ではなく一つの反応パターンです。このパターンは何らかのアレルギー反応に起因していると考えられます。 この粟粒性とはブツブツの病変(痂皮と丘疹)を呈する状態と定義されていて、ほとんどは背中に発生します。そして、ノミアレルギーの猫の35%が粟粒性皮膚炎の症状を呈していたとの報告があります。 また同様の病変が耳や鼻に夏季に集中してみられることがある場合は、蚊に刺されることによるアレルギーと考えられています。さらにその他の外部寄生虫に対するアレルギーでみられることもありますし、頭部から頚にかけての病変では、アトピー性皮膚炎(花粉やハウスダストの吸入)、食物アレルギー、疥癬、自己免疫疾患などでもみられます。 -
トピック
蛋白喪失性腸症:PLE(Protein-Losing Enteropathy)
蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせいちょうしょう)とは、その英語の頭文字をとってPLEとも呼ばれ、腸から多量の蛋白が漏れ出てしまう病気です。それによって、血液中のタンパク質が少なくなり、低蛋白血症を起こします。 蛋白漏出性腸症は、厳密には特定の病名を指すわけではなく、さまざまな消化管(慢性下痢など)の疾患から引き起こされる状態を言います。 性別や年齢を問わず発症し、犬に多く見られ、猫では稀な病気です。特に多くもいられる犬種は、ヨークシャー・テリア、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア、ロットワイラー、ジャーマン・シェパード・ドッグなどに多く見られるという報告があります。 -
消化器科(犬)
胃拡張捻転症候群:Gastric dilatation Volvulus(GDV…
胃拡張捻転症候群とは? 胃拡張・胃捻転症候群(いかくちょう・いねんてんしょうこうぐん)は、食べ物や […] -
呼吸器科(犬)
気胸
胸には、肺の周囲に胸腔(きょうくう)という空間があります。その胸腔に何らかの原因によって空気が漏れ出てたまり、肺が十分に膨らまなくなってしまう病気のことを気胸(ききょう)といいます。一般に交通事故や落下などの事故、喧嘩によることが多い病気です。 気胸になると、換気が十分に行われなくなり、呼吸器困難などの症状が現れます。 -
歯科(犬)
歯肉腫(エプリス)
※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペッ […] -
犬の病気
第三眼瞼腺脱出(チェリー・アイ)
第三眼瞼腺脱出(チェリー・アイ)とは? 犬は目の上下にある2つの瞼(まぶた)以外に、目頭の内側に「 […] -
内分泌科(犬)
高脂血症:Hyperlipidaemia
総コレステロール値とは、コレステロールとトリグリセリド(中性脂肪とほぼ同義)を合計したものですが、高脂血症とは、血液中のコレステロールとトリグリセリドの両方、または一方の濃度が増加して高い値を示している状態をいいます。病的な高脂血症が続く場合、正式には「脂質代謝異常症(ししつたいしゃいじょうしょう)」とか「脂質異常症(ししついじょうしょう)」と表現するのが正式だと思われます。 コレステロールなどの脂質が血液中を運搬されるときは、蛋白質と結びついた状態(リポ蛋白)で運ばれますが、高脂血症は、リポ蛋白と結合ができず遊離した状態の脂質が増えたり、単独あるいは複数種のリポ蛋白が増えたりしている状態です。なお、食後約10時間以内であれば、リポ蛋白のうちでも、腸から吸収され脂質を肝臓に輸送するカイロミクロンが血中に存在するのが正常な状態ですので、食後約10時間以内の値は生理的なものとして除外されますが、約12時間以上の絶食時にも高値を示している場合には何か原因がある可能性があります。 -
犬の病気
乾性角結膜炎(KCS)
乾性角結膜炎(かんせいかくまくえん)はKCS(Keratoconjunctivitis sicca)とも呼ばれ、人でいうドライアイといわれ、涙量の減少や涙の性質が悪くなって角膜や結膜が乾き、障害を起こす病気です。眼の表面が乾くことにより、結膜の充血や角膜の炎症や傷、色素沈着などを引き起こします。重度になると失明することもありますので注意が必要です。