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犬の病気
逆くしゃみ:Reverse Sneeze
逆くしゃみとは、愛犬・愛猫が鼻咽頭や後鼻腔に刺激を受けたときに、閉じた声門に対して強い吸気努力を伴い、発作的な呼吸音を生じる現象です。通常のくしゃみが前鼻腔の刺激により前方へ強い呼気を発生させるのに対し、逆くしゃみは後方の刺激によって急激な吸気が促され、発作時には首を伸ばし頭を後方に引く姿勢をとることが特徴です。この症状は主に犬に見られるものですが、猫でもまれに発生することがあります。 -
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鉄欠乏性貧血:Iron-Deficient Anemia
鉄欠乏性貧血とは、体内の鉄が不足することによって引き起こされる貧血の一種です。鉄は赤血球の主成分であるヘモグロビンの合成に必要なミネラルであり、酸素を全身に運ぶ重要な役割を担っています。鉄が不足すると、十分なヘモグロビンが作られず、結果として赤血球の数が減少し、酸素の供給が不十分になります。愛犬・愛猫が鉄欠乏性貧血になると、元気がなくなったり、運動を嫌がったりすることがあり、進行すると重篤な症状を引き起こすこともあります。 -
犬の病気
胆嚢破裂:Biliary Tree Rupture
胆嚢破裂とは、胆嚢の壁が損傷し、胆汁が腹腔内に漏れ出す状態を指します。胆汁は本来、肝臓で生成され、胆嚢に蓄えられた後、食事の消化を助けるために小腸へ分泌されます。しかし、胆嚢が破裂すると、胆汁が腹腔内に広がり、重篤な炎症である胆汁性腹膜炎を引き起こします。この状態は放置すると命に関わるため、迅速な診断と治療が必要です。 -
犬の病気
肥満:Obesity
肥満は、愛犬・愛猫の健康に大きな影響を与える病気の一つです。肥満は単なる体重増加にとどまらず、心血管疾患、関節炎、糖尿病、呼吸器疾患など、さまざまな健康問題を引き起こします。さらに、肥満は寿命を短縮させるだけでなく、生活の質を低下させる可能性があります。適切な管理と治療を行うことで、これらのリスクを軽減し、愛犬・愛猫が健やかで幸せな生活を送れるようサポートすることが可能です。 ペットオーナーの皆さんがまず認識すべきは「肥満は病気である」ということです。 -
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ヘモプラズマ症:haemoplasma
ヘモプラズマ症は、血液中の赤血球に寄生する細菌であるヘモプラズマ(Haemoplasma)によって引き起こされる感染症です。愛犬・愛猫がこの病気に感染すると、貧血やその他の症状を引き起こし、特に免疫が低下している動物にとっては深刻な病気です。ヘモプラズマは主にノミやダニなどの吸血性節足動物によって伝播されますが、輸血や母猫から子猫への垂直感染も報告されています。愛猫に多く見られるのがMycoplasma haemofelis、愛犬にはMycoplasma haemocanisなどが関与します。また、他の種類のヘモプラズマとして、Candidatus Mycoplasma haemominutumやCandidatus Mycoplasma turicensisなどもあり、これらは共感染することが多いです。 -
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心タンポナーデ:Cardiac tamponade
心タンポナーデとは、心臓を包む心膜という膜の中に液体が異常に貯まることで、心臓が圧迫され、正常に機能できなくなる状態を指します。愛犬・愛猫においても、心タンポナーデは命にかかわる1分1秒を争う緊急な状態であり、迅速な治療が必要です。この状態になると心臓が十分に拡張できなくなり、全身への血液供給が著しく低下します。その結果、血圧の低下や臓器への血液供給不足が起こり、最悪の場合はショックや死に至ることもあります。 -
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体臭:Body Odors
犬や猫は、人間と同様に自然な体臭を持っています。これらの体臭は、皮膚から分泌される油や腺からの分泌物とその副産物によって形成され、認識や社会的な相互作用、さらにはパートナーの選択において重要な役割を果たします。通常の体臭は耳や足、背中、尾、肛門の周りで特に強く感じられますが、これはこれらの部位に特定の腺が多く存在するためです。このような体臭は、ペットの種類(犬や猫)、品種、年齢、性的状態(去勢や避妊されているかどうか)によっても異なります。自然な体臭は多くの場合、飼い主にとって特に問題となるものではありませんが、異常な臭いが発生した場合、それは何らかの健康問題のサインかもしれません。 -
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頻尿:Pollakiuria
頻尿(ひんにょう)とは、通常よりも頻繁に少量の尿を排出する状態を言います。オシッコの回数が多いことで、オシッコの量が多い多尿とは違いますので、注意してください。頻尿は、愛犬や愛猫の健康状態に問題があることを示すサインかもしれません。頻尿は、膀胱や尿道の異常、尿路感染症、または他の基礎疾患が原因となることが多いです。早期の発見と適切な治療が重要であり、放置するとさらなる健康問題を引き起こす可能性があります。 -
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口臭:Halitosis
口臭(こうしゅう)とは、愛犬や愛猫の口から発生する不快な臭いで、急性または慢性の症状として現れることがあります。この臭いは、口腔内の問題に起因することが多いですが、全身性の疾患や消化器系、呼吸器系の問題が原因で発生することもあります。口腔内の原因としては、食べ物の残りや血液成分、唾液、そして剥離した口腔粘膜細胞などが、細菌によって分解される過程で揮発性硫黄化合物やその他の悪臭成分が生成されることが挙げられます。これにより、愛犬や愛猫の口臭が発生し、場合によっては全身状態にも影響を与えることがあります。 -
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コクシジウム症:Coccidiosis
コクシジウム症は、犬や猫の腸に寄生する単細胞の寄生虫であるコクシジウムによって引き起こされる感染症です。特に子犬や子猫、免疫力の低下した動物で問題となりやすく、宿主の腸の細胞に侵入してそこで増殖することで症状が現れます。これらの寄生虫は主にシストイソスポーラ属のCystoisospora felisとCystoisospora rivoltaによって引き起こされ、人や犬には感染しません。ただし、トキソプラズマ属は人畜共通感染症を引き起こすことがあり、これとは区別されます。 -
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短頭種気道症候群:Brachycephalic Airway Syndrome
短頭種気道症候群(Brachycephalic Airway Syndrome)は、ブルドッグ、パグ、ペキニーズ、シーズー、ボストンテリアなどの犬に多く見られる呼吸器の問題です。猫でもペルシャ、ヒマラヤン、ブリティシュ・ショート・ヘアー、スコティシュ・フォールドなどの猫種に見られます。これらの犬種や猫種は短い鼻と平らな顔を持っているため「短頭種(たんとうしゅ)」と呼ばれ、上気道の構造が異常になりやすく、呼吸が困難になることがあります。この症候群は、軽度の場合から重度の場合まであり、重篤な場合には緊急の治療が必要となることもあります。 -
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核硬化症:Nuclear Sclerosis
核硬化症(かくこうかしょう)は、犬や猫の水晶体核(眼の中心部分)が年齢と共に硬くなる状態です。タマネギのように層状の水晶体核が加齢により圧縮され、硬化することにより起こります。 核硬化症により、水晶体が白く見えることがあり、これが白内障と間違われるのですが、白内障とは異なり、通常は視力障害を引き起こしません。