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犬の病気
犬伝染性気管気管支炎:ケンネルコフ
ケンネルコフは、犬伝染性気管気管支炎といわれ、咳を主な症状とした伝染力の強い呼吸器の感染症です。ケンネルとは犬舎のことで、コフとは咳です。犬舎など多頭飼育の場所で起こりやすかったことからこう呼ばれるようになりました。犬伝染性呼吸器病とも言われることがあります。 この病気は、単一の病原体によるものではなく、いくつもの細菌やウイルスなどが複合して感染し、病気を起こしています。中でも重要なのが気管支敗血症菌(ボルデテラ)と呼ばれる細菌で、それにジステンパーウイルス、アデノウイルス1型、アデノウイルス2型、イヌパラインフルエンザウイルス、犬ヘルペスウイルスなどが関係します。イヌパラインフルエンザウイルスはケンネルコフの原因ウイルスとして最も検出頻度の高いウイルスですが、非常に弱いウイルスです。アデノウイルス1型は犬伝染性肝炎ウイルスと同様です。これらのウイルスは飛沫中に含まれて空気中を飛ぶために感染力が強く、犬の呼吸器系に感染します。しかしながら致死的な感染になることは少ないとされてます。 -
犬の病気
異物誤飲(誤飲・誤食)
動物は時に人が思ってもみないものを食べたり飲み込んだりしてしまうことがあります。これを異物誤飲(いぶつごいん)と言い、特に子犬や子猫は、好奇心旺盛で色々なものを誤って飲み込んでしまうことが多いので注意が必要です。データでは異物誤飲は、1歳以上の動物と比べ1歳未満ののほうが4倍も高いことがわかっています。 飲み込んでしまうものは石やおもちゃ、衣類など様々で、症状や重篤度は飲み込んだものにより違います。 -
犬の病気
ぶどう中毒:Grape Toxicosis
犬はブドウやスグリ、サルタナを食べると、中毒症状を起こすことがあります。これをブドウ中毒(ぶどうちゅうどく)とかブドウ・レーズン症候群とかいい、最悪の場合、死に至ります。 ぶどう中毒は生の葡萄だけでなく、乾燥したレーズンや果汁100%のブドウジュース、ブドウの搾りかすなどでも起こりますので注意が必要です。もちろんブドウの果実だけでなく、ケーキ、パンやパイ、サラダなどに使われることも多いのできをつけてください。 -
犬の病気
キシリトール中毒
キシリトールは人工甘味料の一種で、砂糖と同じ甘さでカロリーが抑えられるため、キャンディーやクッキー、飲料など様々な食品に砂糖の代用として用いられています。また、キシリトールは、歯垢の中の虫歯の原因菌の働きを弱める作用があることなどから、ガム、歯磨き粉など歯科用の製品でも多く使われています。 しかし、人間には有用なこのキシリトールですが、犬では中毒を起こし、低血糖や急性の肝不全により、死に至ることもある危険な物質であることを知っておいてください。 -
犬の病気
犬疥癬症
疥癬症(かいせんしょう)は目に見えないくらい小さなヒゼンダニ(イヌセンコウヒゼンダニ)により伝染する皮膚病で、激しいかゆみを引き起こします。このかゆみの原因は、ヒゼンダニが皮膚にトンネルを作り、そのトンネル内に出した糞や分泌物に対するアレルギー反応です。 このヒゼンダニは、犬からほかの動物へ簡単に感染し、人にも感染するので注意が必要です。 人にも感染する人獣共通感染症:ズーノーシス(zoonosis)であり、感染すると腕やお腹などに発疹ができて強い痒みの症状がみられる場合があります。特に抵抗力の弱い病人や子供、老人などが感染すると症状が重くなるため注意が必要です。 -
犬の病気
膵炎(犬編)
膵炎(すいえん)とは、膵臓に炎症が起こる病気のことで、大きく分けて「急性膵炎」と「慢性膵炎」があります。中齢〜高齢の肥満した雌に多く発症する傾向があると報告されています。犬種では、急性膵炎は、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、その他のテリア種にも多いと言われ、慢性膵炎は、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル、ボクサー、ラフ・コリーなどに多いと言われています。 膵臓では、非常に強力な消化酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなど)が作られ、「タンパク質や脂肪、炭水化物を分解し、血糖値をコントロールするためにインスリンを出す」などの役割を担っています。 これらの消化酵素は通常、膵臓を傷つけないよう十二指腸へ運ばれてから活性化します。しかし、なんらかの原因で消化酵素が膵臓内で突然活性化することで、自分で自分の膵臓を消化してしまい、傷つけてしまうことで「急性膵炎(きゅうせいすいえん)」が起こります。症状が重いものでは膵臓の炎症が他の臓器に広がり、肝臓や腎臓の障害も引き起こすことがあります。さらに、重症では全身の血管内で微小な血栓が形成され、それが血管内で詰まるってしまうDIC(播種性 -
犬の病気
トキソプラズマ症
トキソプラズマは、原虫と呼ばれる顕微鏡でみなければみえないような小さな寄生生物で、世界中の猫(ネコ科動物)、豚、犬、鳥類などに感染がみられます。この原虫は人間にも感染し、人と動物の共通感染症(ズーノーシス)ですので、注意が必要です。しかしながら、大部分は症状が出ない不顕性(ふけんせい)感染であり、日本人では成人の20〜30%がすでにトキソプラズマに対する抗体を持っていることが知られています。 妊娠初期の女性がトキソプラズマ症に初感染すると胎児にも感染し、流産や死産などの原因にもなる可能性があるので注意が必要です。 -
犬の病気
カンピロバクター症
カンピロバクターは螺旋状またはS字状に湾曲した細菌で、回転運動を行いながらすばやく動きます。人では食中毒の原因となる代表的な菌で、細菌性腸炎を起こします。カンピロバクター菌に汚染されてしまった食べ物を食べたり、飲んだりして感染し、キャンピロバクター症とも言われます。 カンピロバクター菌は自然界のあらゆるところに生息しており、人にも感染し(人と動物の共通感染症)、多頭飼育の場合は特に他の動物へも感染が起こりやすくなります。犬や猫の腸管に常在していますが、保菌率はそれほど高くない(1%前後)とされています。また、免疫力の低い子犬や子猫、ストレスの多い環境下や免疫力が低下しているときに発症することがあります。 -
犬の病気
蛋白喪失性腸症:PLE(Protein-Losing Enteropathy)
蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせいちょうしょう)とは、その英語の頭文字をとってPLEとも呼ばれ、腸から多量の蛋白が漏れ出てしまう病気です。それによって、血液中のタンパク質が少なくなり、低蛋白血症を起こします。 蛋白漏出性腸症は、厳密には特定の病名を指すわけではなく、さまざまな消化管(慢性下痢など)の疾患から引き起こされる状態を言います。 性別や年齢を問わず発症し、犬に多く見られ、猫では稀な病気です。特に多くもいられる犬種は、ヨークシャー・テリア、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア、ロットワイラー、ジャーマン・シェパード・ドッグなどに多く見られるという報告があります。 -
犬の病気
胃拡張捻転症候群:Gastric dilatation Volvulus(GDV…
胃拡張捻転症候群とは? 胃拡張・胃捻転症候群(いかくちょう・いねんてんしょうこうぐん)は、食べ物や […] -
犬の病気
気胸
胸には、肺の周囲に胸腔(きょうくう)という空間があります。その胸腔に何らかの原因によって空気が漏れ出てたまり、肺が十分に膨らまなくなってしまう病気のことを気胸(ききょう)といいます。一般に交通事故や落下などの事故、喧嘩によることが多い病気です。 気胸になると、換気が十分に行われなくなり、呼吸器困難などの症状が現れます。 -
犬の病気
歯肉腫(エプリス)
※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペッ […]