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腫瘍科(猫)
精巣腫瘍
精巣腫瘍(せいそうしゅよう)は主に10歳以上の老犬に多く見られ、雄犬において皮膚腫瘍、繊維組織系腫瘍についで3番目に多く見られる腫瘍と報告されています。特に潜在精巣の犬では、正常な精巣を持つ犬と比べて精巣腫瘍になるリスクが高い(通常の約9~14倍)ことがわかっています。 犬の精巣腫瘍のほとんどは、セルトリ細胞腫、精上皮腫(セミノーマ)、間質(ライディッヒ)細胞腫と呼ばれる3種類の腫瘍で、これらはほぼ同じ割合で発生し、同時に一つの精巣内に複数の腫瘍ができることもあります。潜在精巣ではセルトリ細胞腫のできる割合がやや多いとの報告もあります。他の種類の腫瘍もできないことはありませんが、稀です。 猫の精巣腫瘍は犬に比較してかなり少なく、セルトリ細胞腫、ライディッヒ細胞腫、精細胞腫、奇形腫のなどの報告があります。 -
腫瘍科(猫)
乳腺腫瘍(猫編)
一般的に猫の乳腺(にゅうせん:おっぱい)は左右で4対あります。乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)とはこの乳腺に腫瘍ができる病気で、猫の腫瘍の中で、多くが10歳程度以上の老齢の雌(メス)猫に見られ、10万頭当たり12.6〜25.4頭の発症率です。これは、造血器、皮膚に続き、3番目に多く見られる腫瘍で、猫の腫瘍全体の8.2〜40%を占めると報告されています。もちろん稀ですが雄(オス)に見られることもあります。猫の乳腺腫瘍がなにより厄介なのは、63~91.9%が悪性で、悪性の場合はリンパ節や肺への転移が最もよくみられ、肝臓、腎臓、脾臓などへの転移もあります。 -
腫瘍科(猫)
リンパ腫(猫編)
リンパ腫(りんぱしゅ)とは簡単に言うと、白血球の一種であるリンパ球が腫瘍(がん)になってしまう病気で、猫で最もよくみられる腫瘍のひとつです。猫の全腫瘍中の1/3は造血系腫瘍(リンパ系と骨髄系)が占めていますが、さらに、そのうちの50〜90%がリンパ腫であると言われます。特に猫では高齢(8~10歳)で発生することが多いのですが、猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していると若齢(1~3歳)でも発生します。 リンパ球は免疫反応に関与している白血球で、体内への細菌やウイルス等の侵入などを阻止しています。また、リンパ球には複数の種類(T細胞型・B細胞型・それ以外)があり、それぞれ異なった役割を担っていて、特にリンパ節というリンパ球が集まった器官も形成しています。 リンパ球は体の中のいろいろなところに分布しているため、腫瘍は腸などの消化器、鼻、縦隔洞、皮膚、腎臓、脳、脊髄、眼などいろいろなところにできる可能性があります。 シャムネコは好発品種とされています。