ワンちゃんや猫ちゃんに上手にお薬を飲ませるコツを学ぼう!
動物病院で処方されたお薬を愛犬や愛猫が嫌がることなく、簡単に飲んでくれたらいいのに・・・。と思われたことはありませんか? ほとんどのワンちゃんやネコちゃんは投薬に協力的ではなく、当然自分のためであるとは理解してくれません。しかし、処方された薬の効果を最大限発揮させるには、きちんと飲ませることは非常に重要です。
ただ、実際は「フードやおやつに混ぜたけど、薬だけ出した」とか「シロップはひとなめしたけれど、残してしまう」など動物に薬を飲ませるうえでの悩みはよく相談されます。このページではお薬を飲ませる時の注意点や上ちょっとしたコツをご紹介しますので、参考にしてください。
指定されたお薬の投与回数、投与量、投与期間はきちんと守ってください。勝手に回数を減らしたり、増やしたり、やめたりすることは、病気が治らなかつたり、再発したり、副作用が強く出たりとあなたの愛犬や愛猫にとって何の徳にもなりません。特に抗生物質が処方された場合は勝手な回数や量の変更、飲み残しは多剤耐性菌の問題を引き起こす可能性がります。
他院で2週間効く抗生物質の注射を受けたことがあるという動物は、必ずお申し出ください(抗生物質が効かなくなっている可能性が高いので当院では推奨しておりません)。また、下痢で抗生物質を処方されたことがある場合もお申し出ください。犬猫では下痢での抗生物質の投与はほとんど効果はありません。
【錠剤・カプセルを簡単に飲ませるコツ】
●食べ物と一緒に与える
病気で食事制限がなければ、チーズ、サツマイモ、納豆、ヨーグルト、少量の水で溶いたスキムミルクなど、嗜好性が高いものと一緒に与えてみましょう。初めから薬を入れてしまうと、警戒される可能性があるため、まずは薬抜きで少量与え、警戒しなかれば、次にお薬入を与え、また最後にお薬のないものを与えるのがコツです。与えるのは少量にして1回の量はあまり多くしないでください。
●投薬補助用おやつを利用する
投薬補助用おやつ(ピルポケット・ピルアシスト)とは、おやつの中心に穴が開いていたり、粘土のように薬を包み込めるおやつのことです。当院でも受付で販売しています。薬を入れて、指でつまむだけで簡単に形を変えられるため、錠剤やカプセルなどんの剤形を問わず様々な薬の服薬に使うことができます。日頃から時々与えて慣れさせておけばいいかもしれません。
●服薬ゼリーやペースト状の栄養剤、オブラートを使う
薬をペット用の服薬ゼリーやペースト状の栄養剤(当院でも販売しております)、オブラートに包むと、薬のニオイに気付きにくくなります。オブラートの場合は、周りを軽く水でぬらすと喉越しが良くなるため、水にくぐらせてから与えましょう。
※一般に市販されている子供用のゼリー状オブラートなども少量であれば、問題ありません。
※当院には投薬用のチュール[犬用・猫用]もありますので、受付でお気軽にご購入下さい。
※手元にこれらがなく、病気で食事制限などがなければ、とりあえず少量のバニラアイスクリーム、マヨネーズなどに混ぜれ与えるのも一つの方法です。
※投薬用のゼリーやペーストは好みがあるので、日頃から数種類用意しておくとよいでしょう。
●ウェットフードに混ぜて与える
一食分よりも少ない量のウェットフード(缶詰・パウチなど)を用意し、薬を混ぜます。ただし、混ぜる量には注意してください。1度に大量の薬を混ぜると気づいてしまうこともあるため、少しずつ混ぜるのがコツです。最初から全量のお薬を混ぜずに、少し混ぜたものを与えて食べるかどうかを確かめてから残りをあげるといいでしょう。
●ピルガン(投薬補助器具)を用いて与える
犬や猫にお薬を与えるためにピルガンとか投薬補助器具(当院受付でも販売しております)と言われるものがあります。これらの器具に錠剤やカプセルをセットして歯の間に滑り込ませて与えた後に、水を飲ませたり、フードを与えます。
※薬の中には食べ物に混ぜてはいけないもの、逆に食べ物と一緒に与えた方が効果があるものなどがありますので、必ず獣医師や愛玩動物看護師の指示にしたがってください。
【散薬・液剤(シロップ)の簡単に飲ませるコツ】
●とろみのあるスープに混ぜる
片栗粉でとろみをつけた鶏肉や野菜を煮たスープに、薬を混ぜて飲ませます。ただし、与えるスープの温度に気を付けましょう。あまり熱いと口の中を火傷する可能性があるため、ある程度冷ましてから飲ませてください。
●ペースト状にし、上あごや歯茎に塗り付ける
水やペースト状の栄養剤(当院でも販売しております)、はちみつ、コンデンスミルクなどに薬を混ぜたり、溶いたものを、上あごや歯茎に塗り付けましょう。苦い薬を溶く時は、味の濃いものや甘みのあるもの(犬のみ…猫は甘みを感じません)を使うのがコツです。
薬をうまく飲んでくれない時の対処法
食欲がなかったり(食欲不振も参照)、どうしても薬をうまく飲んでくれない時には、直接薬を飲ませる必要があります。服薬後は必ず褒めて、おやつなどのご褒美をあげるなど、次回の服薬を嫌がらないような工夫をすることは大切なコツです。また、優しくおさえてくれる人がいれば、もう少し楽に飲ませることができるかもしれません。どうしても動いてします場合、特に猫では大きめのタオルか毛布で頭だけを出すようにしっかり包み込むことで、引っ掻かれたりすることを防止できます。
【錠剤・カプセル剤】
犬歯の後ろ辺りを持って上あごを開き、もう片方の手でなるべく奥に薬を入れます。口を閉じて鼻先を上に向け、喉をさすると薬を飲みこんでくれます。投薬後は針のない注射器やスポイトなどで水を飲ませ、食道に薬が残らないようにしましょう(特に猫ちゃん)。
当院では受付にて、投薬を補助してくれる、投薬器も販売しております。錠剤・カプセル剤がうまく投薬できない場合はご相談ください。
【散剤・液剤】
薬入りの注射器(粉剤は水で溶いて)やスポイトを犬歯の後ろの隙間に差し込み、服薬します。口を閉じた状態で鼻先を軽くあげ、薬を飲み込むまで待ちましょう。
目薬のさし方
以下のページを参照してください。
犬の目薬(点眼薬)の使い方