・離乳期と成長期の食餌
子犬は、生後3〜4週齢で、徐々に子犬用フードを食べさせ、約7〜8週齢で完全に母乳から離乳させます。離乳期間には、ドライフードを人肌程度にお湯でふやかして食べさせると良いでしょう。2ヶ月齢から歯が生え揃ってきたら、歯の健康のためにも、ふやかさずに食べさせましょう。
子犬が健康に発育・成長するためには栄養素がバランス良く含まれた食餌を与えることが重要です。特に成長期は体を作っています。この時期の栄養が一生を決めると言っても過言ではありません。食餌に関しての不明点もお気軽に当院のスタッフまでお尋ねください。
・具体的なフード切り替えの目安
〜生後約4週齢 | お皿に温かい子犬用ミルクを入れて導きます。お皿からミルクをぺろぺろ舐めることができるようになったら、半固形の離乳食が開始できます。舐めることができなければ、哺乳瓶やスポイドで仔犬用ミルクを与えます。 一般の人間用の牛乳は駄目です。必ず猫用を使うようにしてください。 1回に飲めるミルクの量が5ccに満たないときや自力で哺乳瓶に吸い付く力が無さそうな時はスポイトやシリンジ(針のない注射器)などを使って飲ませましょう。一気に流し込むと気管に入って誤嚥性肺炎を起こすのでごく少量ずつ飲ませるように気をつけてください。 ※子犬の体温が35℃未満であれば、まず体を暖めてからミルクを飲ませなければいけません。34℃以下だと飲ませても消化できず下痢になったりします。また、32℃以下では飲み込むことができず誤嚥性肺炎を起こす可能性が高まりますので注意が必要です。
|
||||||||||
生後約4〜6週齢 | 子犬用ドライフードを温めたミルクやぬるま湯に少量混ぜておかゆ状の離乳食をつくります。2〜3週間かけながら徐々にミルクやぬるま湯の量を減らしていきます。 ※湿らせたフードは、品質保持の観点から、長期間放置しないように注意する。 |
||||||||||
生後約6〜7週齢 | 子犬に数本乳歯が生えてきたら、徐々にドライの硬いままのフードを混ぜて慣れさせていきます。 | ||||||||||
生後約8週齢 | 完全離乳 |
check
子犬への食餌お与え方のポイント
- 離乳からの食餌の回数は、4ヶ月齢までは1日3回。4ヶ月齢以降は2回を目安にしてください。(1日1回はだめ)
- 朝晩の食餌の時間はできるだけ同じとし、きちんと毎日決めておきましょう。
- 食餌以外の時にも新鮮な水は忘れず、与えましょう。
- フードの切り替えは4〜7日ほどかけてゆっくりと行いましょう。
子犬と成犬の必要な栄養素の違い
子犬は生後数ヶ月の間に急成長するので、必要とする栄養が成犬とは異なっています。同じ犬種であれば、成長期の子犬には成犬が必要とするエネルギーの約2倍のエネルギーが必要です。高エネルギーで栄養価の高い、バランスのとれた子犬用プレミアム・ドッグフードを与えましょう。また、成犬時の体格は遺伝により決定されているものであって、子犬の時の食事の量で決まるものではありません。どの犬種でも子犬を過剰に成長させることが目的ではなく、通常の速度で成長させることが目的だということを念頭において給与しましょう。子犬のドッグフードについてもお気軽に当院にご相談ください。
check
子犬への栄養補給のポイント
-
- 犬種サイズによって必要な栄養は異なります。大型犬と超大型犬の子犬には、脂肪およびカルシウム:リンのバランスがとれた食事を心がけましょう。(発育に伴う骨の病気にかかるのを防ぐためです。カルシウムの粉だけ与えてもダメです。決してそのようなことはしないように)
- 子犬用フードから成犬用フードへの切り替えタイミミングの目安
- 子犬の成長期の初期では食事の給与量も多いのですが成長に応じて減ってきます。
- 生後6ヶ月齢以降に関しては、急速に成長する時期から、ゆっくりとした成長期になります。それにともない食事の量も減ってきます。成長に必要なエネルギーが少なくなることで、栄養要求が減ってきてることが原因の1つと考えられます。現在の月齢および体重に合わせてパッケージの裏面の給与表を参考に給与量を調節しましょう。(裏面に給与表の目安がなきいようなフードは問題外です。)
参照:子犬用フードから成犬用フードへの切り替え時期の目安(フードにより違う)
犬種サイズ | 成犬時体重 | 子犬→成犬 |
---|---|---|
小型犬 | 〜10kg | 10ヶ月〜12ヶ月 |
中型犬 | 10〜23lg | 12ヶ月 |
大型犬 | 23kg〜40kg | 12ヶ月〜18ヶ月 |
超大型犬 | 40kg〜 | 18ヶ月〜24ヶ月 |
子犬の成長期における乳歯のはえかわり
約3ヶ月齢頃から6ヶ月齢頃にかけて、ほとんどの子犬は乳歯が生えかわります。(抜けかわり時期には乳歯が落ちたりすることもあります。)この時期は子犬の口や歯肉・歯茎はとても敏感で、食事の際に少し痛みをともなったりします。
しかし、この時期は特別な治療や対応などは何もできないので、食欲がない、食べたがらないなどの様子があったとしても歯の生え変わりと共に状況は改善されます。
しかし、この時期は特別な治療や対応などは何もできないので、食欲がない、食べたがらないなどの様子があったとしても歯の生え変わりと共に状況は改善されます。
子犬が突然フードを食べなくなったら?
子犬にも自我が芽生えています。そんなときは、きちんと食事をとり、家族に従うようにしつけをしましょう。もしテーブルの残り物を欲しがったとしても、優しい声の調子で根気強くドックフード勧めてみてあげてください。子犬の要求通りにしたがってしまうと、食事のわがままを増長してしまう可能性があります。結果として、偏食のあるワンちゃんにしてしまうことにもなりかねません。
フードへ他の食べ物を混ぜること
高品質のプレミアムフードには、必要な栄養がか過不足なく含まれています。バランスのとれたプレミアムフードなら、お肉や野菜を混ぜたり、サプリメントを加える必要はありません。いろいろな食べものを追加すると、かえってフードの微妙な栄養バランスが崩れてしまいます。
※犬はもともと限りなく肉食に近い雑食動物でなので、野菜などの繊維の分解は苦手です。ですからヒトにいいからと言って単純に野菜を多く与えることは犬には迷惑なんです。特に人間が食べているものを調理して与えても、栄養のバランスをとることが難しく、塩分も多くなります。きちんとした「総合栄養食」を与えることを心がけてください。
※犬はもともと限りなく肉食に近い雑食動物でなので、野菜などの繊維の分解は苦手です。ですからヒトにいいからと言って単純に野菜を多く与えることは犬には迷惑なんです。特に人間が食べているものを調理して与えても、栄養のバランスをとることが難しく、塩分も多くなります。きちんとした「総合栄養食」を与えることを心がけてください。
おやつの与え方
おやつもライフステージやライフスタイルに応じた栄養バランスの良いものを選びましょう。また、おやつの与えすぎによって、太ってしまったり、必要な食事を食べなくなったりすることがありますので、注意が必要です。量は、一日の必要摂取カロリーの10〜15パーセント以内までにしましょう。また、与えたおやつのカロリー分の食事量を調節してあげる必要があります。
生後1年くらいから食事は1日2回に
ワンちゃんは生後1年前後でほぼ成犬となり、食事の量も一定になります。食事は1日2回に分けて与え、だらだら食べる癖をつけないために、食べ終わった食器はすぐに片付けましょう。犬に与えてはいけない食べ物にはくれぐれも注意してください。
実は、人間ほど味覚が敏感ではなく、嗅覚で「おいしさ」を感じます。 ドッグフードに飽きて食欲がない時は鶏のささみふりかけなどをドッグフードに混ぜたものなど、ワンちゃん好みの匂いのついた食べ物を与えてみましょう(食欲不振も参考にしてください)。それでも食べないようなら、どこか具合が悪いのかもしれませんので、当院にご連絡ください。
また、ワンちゃんは汗をかかず、呼吸で水分を排泄し、体温調節などをしています。新鮮な水をいつでも飲めるようにしておいてください。未だに「牛乳」をあげているヒトがいますが、犬と人間の体の作りは違います。牛乳は個人差がありますが「下痢」や「消化不良」のもとですので、あげないしょうにしましょう。