ペルメトリン中毒とは?
ペルメトリン中毒は猫の中毒の中でも最も多く報告されている中毒の一つです。大抵は犬用のノミ・ダニ駆除剤として市販されている薬剤を猫に使用したために起こります。
ペルメトリンを含む製剤は主に、犬用のスポットオン ノミ・ダニ駆除剤、ノミ取りシャンプー、ノミ駆除スプレー、ノミよけ首輪などに含まれていますので、注意が必要です。
ペルメトリン中毒の原因
ピレスロイド系殺虫剤であるペルメトリンに対する中毒です。
ペルメトリン中毒の症状
振るえ、痙攣発作、ふらふらするなどの神経症状のほか、高体温、流涎(涎が出ること)などが見られることもあります。
犬用の殺虫剤を用いた場合、数滴で中毒を起こし、1〜3時間、あるいは数日で中毒症状が起こり、約1割が死亡すると報告されています。
ペルメトリン中毒の診断/検査
一番重要なのは問診です。全身状態を把握したり、他の病気との鑑別を行うために、一般身体検査、血液検査、血液化学検査、尿検査などが必要になります。
ペルメトリン中毒の治療
痙攣発作が見られる場合は、抗けいれん薬を投与します。その他、点滴などの対症療法を行うのが一般的です。
また、可能であれば皮膚についた薬剤は洗浄します。
ペルメトリン中毒の予防
犬用の製剤を勝手に猫に使ったり、猫用の製剤を犬に使ったりしないようにしましょう。動物病院業界には「猫は小さなな犬ではない!」という格言があります。猫と犬はまったく違う動物であることを認識しいぇください。
薬物中毒に関しては、動物や子供の手の届くところに薬を置かない。薬箱などは簡単に開けられないようにすることを日頃から心がけて下さい。
ペルメトリンに関しては、犬との共同生活で犬に塗布したものへの接触でも見られるようですの、犬猫共同飼育している方は犬にペルメトリン製剤を用いることを避けましょう。
ペルメトリン中毒の看護/その他
薬を誤飲したと思ったら、できればその薬の箱や包装などを持参していただけると解決策や解毒剤が速やかに分かることがあります。
誤ってペルメトリンを塗布、あるいは接触した場合は、速やかにぬるま湯で拭き取るか、洗浄して早急に当院にご連絡下さい。
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参考文献・資料等
- 猫の臨床Part1.367
- 伴侶動物のための救急医療.171-172
<1>猫におけるペルメトリン中毒に対する補助療法としての脂肪乳剤静脈内投与の無作為化比較臨床試験
<2>猫のペルメトリン中毒: 42症例の回顧的研究
<3>ロンドンの獣医中毒情報サービス(VPIS)に報告された猫のペルメトリン・スポットオン中毒の臨床効果と転帰
<4>ネコのペルメトリン中毒