血液検査:CBC

1年に2回は健康診断で血液検査を!

ワンちゃんや猫ちゃんにも個体差がああります。いち早く病気に気づいてあげるために、健康なときの検査データを残してあげましょう。。

 血液(血球)検査は、CBC(シービーシー:Complete Blood Countの略)とも言われ、主に赤血球や白血球、血小板などの数や形態を調べる検査です。血液を検査するいろいろな方法の中で、まず体全体の状態を調べるために行う最も基礎的な検査です。この検査は病気から健康診断まで広く利用されていて、貧血や炎症、感染症や寄生虫、ある種の腫瘍の有無などを調べます。通常、⾎液化学検査とあわせて⾏うのが一般的です。

●血液(CBC)検査
Blood Examination・CBC:Complete Blood Count

シスメックス 動物用多項目自動血球計数装置 pocH-100iV Diff
シスメックス 動物用多項目自動血球計数装置 pocH-100iV Diff

・血液(CBC)検査はどんな検査?

人間も動物も血液は全身を巡っていて、栄養や酸素を運搬するなど重要な機能を担っています。このため病気のときには特有の変動が生じやすく、体内で何が起こっているのかを把握する重要な判断材料となります。その血液を調べる血液(CBC)検査は全身状態を把握するための最も基礎的な検査で、健康診断としても行われる代表的な検査です。

検査項目として赤血球数(RBC)・白血球数(WBC)・血色素量(Hb)・ヘマトクリット値(Ht)・平均赤血球容積(MCV)・平均赤血球血色素量(MCH)・平均赤血球血色素濃度 (MCHC)・血小板数・白血球分類を調べます。

検査は、頚部や前足、後足、内股などの血管から血液を少量(約1~2cc程度)採取して、血液検査装置や顕微鏡などで測定、観察し行います。

・血液(CBC)検査で何が分かるの?

赤血球の数や量 / 貧血の有無 / 貧血のタイプ / 脱水の有無 / 白血球の数や量 / 炎症の有無 / 全身性感染症の有無 / 壊死の有無 / ストレスの有無 / 寄生虫感染の有無 / 血液系腫瘍疾患の有無 / 腫瘍疾患の進行度 / 血小板の数や量 などが分かります。

主な検査項目と解釈

検査の基準値についてはこちらの解説をご覧ください。(但し、当院をご利用のペット・オーナー様限定:パスワードは当院受付にてご確認ください)

(1)赤血球数(RBC)

赤血球は、体の組織や細胞に酸素を運ぶというとても重要な役割を担っています。また、不必要になった炭酸ガスを回収します。下痢嘔吐・多尿などにより脱水症状を起こしているときは赤血球数の増加がみられ、貧血のときには減少します。

(2)白血球数(WBC)

白血球は、「細菌や異物などから体を守る」という重要な働きを担っています。白血球には、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球などいくつかの種類があり、それらの合計が白血球数です。体内に炎症、感染、ストレス、異物などがあると白血球数の増加がみられます。一方、ビタミンの欠乏やパルボウィルス腸炎、汎白血球減少症のようなウイルス感染症などのときには減少します。

白血球は数だけでは分かることに限りがあります。そのため、血液塗抹検査を行い、どの種類の白血球が増減しているのか、あるいは異常な白血球の有無について調べなければなりません。特に白血球数に変化が見られる場合には、必ず行わなければ分かることは限られます。

(3)ヘマクリット値(Ht)・赤血球容積比(PCV)

これらは血液全体に占める赤血球成分の容積の割合です。血液全体に占める赤血球の値を測定します。この値が下がると貧血、上がると脱水などによる血液濃縮や赤血球増加症(多血症)が考えられます。

(4)ヘモグロビン値(血色素=Hb)

ヘモグロビンは赤血球が酸素を運ぶ上で、とても重要な役割を果たす色素です。この値が低いと貧血、高いと脱水などが考えられます。

(5)血小板数(PLT)

血小板(PLT)は主に止血作用に関わっています。血小板の数が減る血小板減少症は、自己免疫疾患や薬物中毒、ビタミン欠乏など、様々な疾患に伴って起こります。

※血液(CBC)検査により測定する項目は、使用する装置や検査方法、範囲で異なります。

(6)血液塗抹検査

赤血球、白血球、血小板などの形態、寄生虫などの有無を観察する非常に重要な検査です。機械による自動化によりこの検査を省く動物病院やこの検査ができない動物病院が増えていますが、多くのことを見落としている可能性があり、非常に問題だとされています[4]

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検査時間

採  血:数分以内
検査結果:30分以内(院内検査)
 ※当院では、状態が悪くなってから来院することの多い動物の病気ではすぐに結果が分かることが重要ですので、この検査を院外の検査機関に出すことはほとんどありません。より詳しく検査が必要な場合のみ院外の検査機関に送ります。
※当院ではセカンドオピニオンなどにも利用できる様に、必ず検査結果データと報告書をお渡します。

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注意事項

ー常用している薬がある場合は申し出てください。

ー指示された場合8時間程度の絶食をお願いします。

ー会員動物(過去1年以内に当院で混合ワクチンを接種している動物)の血液検査に関しましては、採血料をサービスさせて頂いております。

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参考文献・資料等
  1. 犬と猫の細胞診と血球診 第3版; 390-422:末梢血液塗抹標本
  2. 臨床家のための血液病学アトラス
  3. In-Clinic Hematology: The Blood Film Review
  4. Top 5 Abnormalities Missed When a Blood Film Is Not Examined


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