潜在精巣(陰睾)

潜在精巣(陰睾)とは?

精巣は、オス(雄)の陰嚢内にある精子を作る機能を持つ生殖器官で、個体差はありますが、生後数ヶ月でお腹から陰嚢内に下降します。潜在精巣(せんざいせいそう)とは停留精巣(ていりゅうせいそう)とか陰嚢(いんのう)とも呼ばれ、精巣の片側あるいは両方が適切な時期に陰嚢へ降下せず、お腹に留まってしまう病気です。潜在精巣の発生率は統計によりばらつきがありますが、0.8%〜9%未満程度、潜在精巣の腫瘍発生率は10〜15%とされています。
片側の潜在精巣は両側の潜在精巣よりも多くみられ、きちんと陰嚢に降下しない精巣は中年期以降に腫瘍化(セルトリ細胞腫、セミノーマ)する可能性が高いことが知られていて、正常な精巣と比較すると腫瘍になる確率は13〜23倍程度というデータもあります。
犬種ではトイプードル、ポメラニアン、ヨークシャーなど小型犬に多く見られます。

潜在精巣(陰睾)の原因

はっきりとした発症の原因はわかっていませんが、遺伝的(劣性遺伝)な関与があるといわれています。

潜在精巣(陰睾)の症状

精巣が陰嚢まで下降せず、腹腔内(お腹の中)や肢の付け根の皮膚の下などに存在します。通常は生後1ヵ月程度で陰嚢の中に精巣が収まりますが、性成熟の時期(生後6ヵ月)を過ぎても、陰嚢内に精巣がなければ潜在精巣となります。
片側だけの場合もあれば両側性のこともあります。片側だけの場合は繁殖能力はありますが、両側性に潜在精巣が起こっている場合は繁殖能力はありません。
また、潜在精巣は中高齢以降に腫瘍になりやすいことが分かっています。腫瘍化した場合、腫瘍の種類によって様々な症状(雌性化、脱毛、貧血なそ)を起こす場合があります。

潜在精巣(陰睾)の診断/検査

潜在精巣かどうかは触診すればわかりますが、停留している精巣が腹腔内(お腹の中)にある場合、場所を特定するのに苦労することがあります。そのため、超音波検査、腹腔鏡検査、CT検査などが行われることもあります。

潜在精巣(陰睾)の治療

精巣を正常な陰嚢に戻すことはできませんので、精巣腫瘍の予防として去勢手術を行います。停留している精巣が皮下にあればいいのですが、腹腔内の精巣を摘出する場合は開腹手術が必要になります。

潜在精巣(陰睾)の予防

潜在精巣の発症を予防することは難しく、潜在精巣であることが判明した場合、精巣腫瘍の予防として、腫瘍の発生率が低い若齢期に去勢を行うことが重要です。ただし、睾丸摘出せず予想される生存期間は、睾丸摘出後の生存期間と有意差は認められなかったとする研究<2>もあります。
また、潜在精巣の発症には遺伝的関与があるといわれているので、潜在精巣の動物を交配してはいけません。

潜在精巣(陰睾)の看護/その他

生後1〜2ヵ月を過ぎて陰嚢に精巣が2個触れなければ、当院にご相談ください。

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参考文献・資料等


<1>.雄犬の不妊の一般的な原因
<2>.犬の潜在睾丸を若齢時に切除するか否かを決定するための決定木分析
<3>.外科的観点:犬猫の腹腔鏡下および腹腔鏡補助下潜在精巣切除術
<4>.潜在精巣
<5>.超音波診断:潜在精巣の犬における非腫瘍性精巣の腹腔内捻転