体重・体温・心拍数・呼吸数の量り方

健康状態を知る上で、また我々獣医が診察する上でもこのTPR(ティー・ピー・アール:体温、心拍数、呼吸数の英語の頭文字)は最も簡単に把握でき、重要な指標となります。ペットオーナーとして皆さんも日頃から身につけておくことをお勧めします。ちょっとしたコツさえつかめば一般の方にも簡単に測定できます。

実際に測定される場合は、TPRの順番とは逆にRPTの順で測定されると他の数値に影響が出にくいとされていますのでまず呼吸数を測り、心拍数、そして最後に体温を測定するといいでしょう。

体重の測り方

体重は健康のバロメーターの一つと言っても過言ではありません。なんとなく太ったな、なんとなく痩せたなではよくわかりません。定期的に体重を測定することはあなたの愛犬や愛猫の健康を見守る大切な指標です。

1.ご家庭のヘルスメーターで構いませんので、まず、愛犬・愛猫を抱っこして一緒に乗り、合計の体重を測りましょう。
2.その後愛犬・愛猫をおろして自分だけの体重を測りましょう。
3.先程の合計体重から自分の体重を引いて下さい。それが愛犬・愛猫のだいたいの体重です。

もちろん動物専用の体重計を購入されればより正確に出ますし、動物病院なら専用の体重計がありますので、いつでも測定できると思います。もしも、体重に5%以上の変化(痩せた、太った)があるようなら念の為、診察を受けることを心がけて下さい

■体温の計り方

みなさんは愛犬、愛猫の体温を測ったことはありますか? どのようにして測るか知っていますか? 通常動物の体温は直腸温といって肛門に体温計を入れて測ります。一般に特殊な体温計は必要なくみなさんお持ちの電子体温計で十分です。ただ、脇の下などで測る人間用と併用するのは気分的によくないでしょうから、できれば1本動物用を準備されるといいでしょう。最近は動物用電子体温計も2,000円程度から手に入ります。この時に体温計の先につける使い捨てのプローブカバーも一緒に購入することを忘れないでください。

さて、測り方ですが、
1.まず体温計に薄いビニールやサランラップなどを巻き、ご家庭であればオリーブオイルなどの潤滑剤を少し塗ります。体温計の先につける使い捨てのプローブカバーがあればより清潔です。
※当院では専用のプローブカバーをして1頭1頭使い捨てしています(ほしいかたは受付まで1枚10円でお分けします)。
2.シッポの根元を優しく掴み上げ、測定部を肛門に優しく回転させながら少なくとも2cm程挿入します。
※猫では1cmほど挿入すると抵抗を感じることがあるが、そこで無理せず30秒程優しく回転させてゆっくり入れましょう。
3.測定結果が表示されるのを待つ。

 さて、正常体温はどの程度かご存知ですか? 犬は38.0〜39.0度程度猫は38.5〜39.0度程度です。40度を越えるようなら動物病院で診察を受けましょう40.5度を越えるなら必ず治療が必要です(▷発熱も参照してください)。ただし、興奮したりすると0.5〜1.0度程度は上昇する、午前6時頃が低くて、午後3時頃は高めに出ることも頭に入れておいてください。もちろん体温が低いのも問題です(具合が悪い場合はどちらかと言うと体温が低い方が緊急性があったりします)。

おかしいいな? 食欲ないな? と思ったらまず体温を測定することを心がけましょう。その為にも時々体温を測定して、その子、その子の日頃の体温を知っておくことをお勧めします。

■心拍数の計り方

人の場合手首に指先を当てて脈拍を測るのはみなさんご存知ですよね? では犬や猫等の動物はどこで測るかご存知ですか? 一般的には後ろ足の内側。丁度太ももの内側の真ん中あたりにある大腿動脈によって測定します。もちろん聴診器をお持ちであれば胸部にあてることにより心臓の拍動を数えることもできます。心拍の音を聞くだけなら安い聴診器でも十分です。1本持っておくのもいいかもしれません。

さて、測り方ですが、
1.動物の後ろ側に立ち、太ももの外側から前方に向けて両手を当てて、指先で太ももの内側中央部よりやや上の大腿動脈を確認します。「トク、トク、トク」という振動が伝わるはずです。
2.次にこの数を1分間数えます。1分が無理であれば最低15秒数えて4倍するといいでしょう。
※肥満している動物では大腿動脈を触ることができません。ということは触れないように肥満していたら要注意です。

さて、正常な心拍数は犬で60〜120回/分猫で120〜180回/分程度です。もちろん興奮などによってもかなり変化します。

■呼吸数の計り方

呼吸数は通常胸(胸壁)の動きを見て測ります。普通にしている時に少し離れたところから、

1.胸やお腹の動きを観察しながら数を数える。30秒数えて倍するか、1分間数える。
さて、犬の呼吸数は10〜30回/分猫は20〜40回/分程度となります。特に犬では犬種により呼吸数は大きくことなる。大型犬では少なく、小型犬では多い傾向があるので、健康なときの愛犬、愛猫の呼吸数を知っておくことは非常に重要です。
※特に僧帽弁閉鎖不全などの心臓病を持っている場合、お家で寝ているときの安静時呼吸数を数えることは、病気の悪化を早期に見つけることができると言われていますので、必ず定期的に測る癖をつけましょう。