非観血的整復
股関節脱臼以外の併発疾患がなく、受傷後早期(4〜5日以内)であれば、外科手術を行わず、鎮静や麻酔を行い、脱臼を手で戻すことができる可能性があります。脱臼を整復した後に包帯をしばらく巻き、再脱臼を防ぎます。脱臼のによる損傷や経過時間によってはすぐに再脱臼して非観血的整復は難しいことも多くあります。
非観血的整復法による再脱臼率は、47〜65%と報告されています。
外科手術
非観血的整復では脱臼を戻すのが難しかったり、再脱臼を起こしてしまう場合、関節炎や骨折などを伴う場合などは外科手術による治療が必要となります。外科手術は大きく分けると温存的手術と救済的手術に分けられます。
・温存的手術
手術により股関節を戻し、再脱臼を起こさないように固定を行います。固定法は様々なものが存在し、関節包再建術やトグルピン法、創外固定などを用いた方法などがあります。
・救済的手術
温存的手術を行っても再脱臼を起こしてしまう場合、関節炎が強い場合、関節部の複雑な骨折がある場合など、関節を残すのが難しい場合には救済的な手術が行われます。救済的手術としては大腿骨頭および骨頸を切除することによって痛みを解消する大腿骨頭切除術(FHO)や人工股関節に置き換える股関節全置換術(THR)などがあります。
股関節脱臼の予防
股関節脱臼の看護/その他
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参考文献・資料等
- 本阿彌 宗紀先生の「整形外科学シリーズ」 第1回歩様検査と視診と絶対外せない触診
- 本阿彌 宗紀先生の「整形外科学シリーズ」 第2回攻める触診!おさわりの達人になるために〜後肢編〜
- 本阿彌 宗紀先生の「整形外科学シリーズ」 第5回 「四肢のX線検査の撮影法と読影法〜後肢編〜」
- 本阿彌 宗紀先生の「整形外科学シリーズ」 第7回「運動器エコー検査がこれまでの診断学を変える〜後肢編〜」
<1>鎮静およびロピバカイン-モルヒネ硬膜外麻酔を使用して大腿骨頭頸部骨切り術を実施した犬の1例
<2>破傷風菌感染の合併症として股関節脱臼が認められたボーダーコリー
<3>寛骨大腿関節脱臼を起こし、超高分子量ポリエチレンまたはナイロンを用いた股関節トグルピン法で治療した猫の合併症と転帰
<4>犬の頭背側股関節脱臼の非観血的整復およびエマースリングの適用による治療後の転帰の解析
<5>股関節脱臼の治療としてトグルロッド法による安定化術を受けた犬128頭での術後再脱臼に対する危険因子
<6>あなたの診断は何ですか? 犬における大腿骨頭裂離を伴う円靱帯断裂に関連した股関節脱臼
<7>17頭の犬でのTightRope® システムを用いた股関節トグル固定:手技および長期転帰
<8>幼犬から成犬に至る股関節脱臼のコンピューター断層画像による計測値における観察者間の再現性
<9>犬の股関節全置換術の合併症および飼い主の評価:多施設インターネット調査
<10>生涯に渡り経過観察をしたラブラドール・レトリーバー48頭のコホートにおける股関節形成不全発生の時系列
<11>犬の股関節全置換術の術前の亜脱臼の程度あるいは軟部組織の張力は、術後の脱臼の発生率に影響するか?
<12>犬の股関節全置換術における腹側脱臼に対する危険因子
<13>あなたの診断は何ですか? 二次性変形性関節症と偽関節を伴う股関節脱臼
<14>犬の股関節脱臼の治療に対するトグルロッドによる安定化:62例(2000-2005)
<15>背側股関節負荷、鎮静、全身麻酔が犬の股関節背外側亜脱臼スコアに及ぼす影響
[WR2110,VQ2110:股関節脱臼]
■VMN Live
・1.『高齢犬の股関節脱臼に対する骨頭切除術』 2.『若齢犬に発生した腹腔内腫瘤の2ヶ月の経過観察と摘出手術』
・骨頭切除術
・股関節脱臼整復術 (スクリューと縫合糸を用いた関節包再建術/ビデオ解説)
・股関節脱臼 外科的な整復術および固定術、会陰ヘルニア(ビデオ)解説
・「軟部外科と整形外科の手術手技や器具の使用方法に関する質疑応用」
・「外科症例並びに外科器具に関する討論会(CPC形式)」
・1. 骨頭切除術 2. 肺腫瘤切除術
・『骨頭切除術』