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胃炎とは?
胃炎とは胃粘膜の炎症のことで、大きく急性胃炎と慢性胃炎に分類することができます。急性胃炎と慢性胃炎は主な「嘔吐」という症状は同じですが、その期間や多くの場合原因が異なります。一般的に急性胃炎は24時間以内におこった場合の診断名で、長くても6日程度までを言い、それを越えて1週間以上断続的に胃炎の症状が見られた場合は慢性胃炎となります。
胃炎の原因
急性胃炎の原因には、乗り物酔い、ゴミ(腐敗した食べ物)あさりが特に犬で多いと言われます。その他、感染、植物、異物、刺激物、肥料、毒物、薬物、人間の食べ物など様々なものが急性胃炎を引き起こします。
慢性胃炎の原因にはアレルギー性や不耐性食品、植物、被毛(毛球症)、異物、鉛、洗剤、肥料、その他刺激物など様々なものがあります。また、治療のために長期用いている薬(アスピリン、ステロイド剤、鎮痛消炎剤、抗生物質など)も慢性胃炎を発症する可能性があります。さらに、細菌やウイルス、寄生虫感染、胃潰瘍や胃癌、腎機能低下や腎不全、肝疾患、神経疾患、免疫疾患、炎症性腸疾患、副腎皮質機能低下などの病気から二次的に起こることもあります。
胃炎の症状
胃炎の症状を知ることはそれ以上の病気の発生を防ぐのに役立つだけでなく、ひどくなる前に根本的な原因を治療するのに役立ちます。胃炎の最も代表的な症状は「嘔吐」です。その他、食欲不振、元気消失、胃痛、発熱、脱水、よだれ、体重減少、ときに下痢や血便、黒色便が見られることもあります。
以前は犬や猫は人に比べてよく吐くので、体調に問題がなければそのままで良いと言われていましたが、最近ではやはり吐くのには何かしら原因があるので、きちんと対処すべきだと言われるようになりましたので、「時々吐くのは大丈夫」と思わないで、きちんと獣医師に相談し対処しましょう。特に血が混じる、チョコレート色やどす黒いなどの場合は早急に動物病院を受診すべきです。
胃炎の診断/検査
急性胃炎で全身状態が悪くない(元気で他に症状がない)場合、詳しい検査などぜずに、対症療法を行うこともありますが、体調が悪い場合や慢性胃炎の場合には、血液検査、血液化学検査、尿検査などとともにレントゲン検査、超音波検査などを行い、原因を見つけます。時には造影レントゲンやCTなどが必要になるかもしれません。
胃炎の治療
急性胃炎で全身状態が悪くない(元気で他に症状がない)場合、対症療法的に胃薬や制吐剤(吐気止め)、経口補液剤などで様子を見ます。
感染や中毒、寄生虫が疑われる場合はその対処。異物が疑われる場合は内視鏡や外科手術による治療が必要になるかもしれません。胃炎の治療はその原因により様々です。
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胃炎の予防
犬や猫の周囲から食べそうなゴミや腐敗物、植物や毒物、肥料を遠ざけましょう。特に仔犬、仔猫は好奇心旺盛です。胃炎の原因になりそうなものをできるだけ近づけないようにすることは予防に役立ちます。
また、当然ですが、ワクチンで予防できる病気は予防し、寄生虫の定期駆虫を行う、ブラッシングをきちんと行い、被毛の飲み込みを避けることも重要です。
胃炎の看護/その他
慢性胃炎を治療しないと萎縮性胃炎が起こることがありません。萎縮性胃炎は、慢性的な炎症が胃の内層をひどく薄くするだけでなく、胃酸を生成する腺に実質的な損傷を引き起こし、胃炎の最終状態を意味します。ですから、時々吐くのは大丈夫と思ってはいけません。
胃炎の場合、胃粘膜を休めるために24時間ほどの絶食が指示されることがります。その後は少しの水分などから給与を始めます。また、消化に優しい動物病院で処方される処方食を用いると治療の助けになります。
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参考文献・資料等
- 猫の臨床指針Part2; 77-78
- 犬と猫の日常診療のための抗菌薬治療ハンドブック;107-117:消化器及び腹腔内の感染症