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コクシジウム症とは?
コクシジウム症は、犬や猫の腸に寄生する単細胞の寄生虫であるコクシジウムによって引き起こされる感染症です。特に子犬や子猫、免疫力の低下した動物で問題となりやすく、宿主の腸の細胞に侵入してそこで増殖することで症状が現れます。これらの寄生虫は主にシストイソスポーラ属のCystoisospora felisとCystoisospora rivoltaによって引き起こされ、人や犬には感染しません。ただし、トキソプラズマ属は人畜共通感染症を引き起こすことがあり、これとは区別されます。
コクシジウム症の原因
コクシジウム症の主な原因は、感染した動物の糞便に含まれるオーシストと呼ばれる卵型の原虫です。これが環境中に排泄され、他の動物が摂取することで感染が広がります。例えば、オーシストに汚染された食器やトイレを舐めたり、感染した動物の糞を直接摂取したりすることで感染します。オーシストは肉眼では見えないため、顕微鏡検査が必要です。また、オーシストは感染猫の体外に排泄されてから1〜2日で感染力を持つようになるため、糞便の迅速な処理が重要です。
コクシジウム症の症状
コクシジウム症の症状は軽度から重度までさまざまで、一般的には下痢が見られます。特に子犬や子猫では水様性の下痢がよく見られます。また、食欲不振、嘔吐、粘液状の便、血便、発熱などの症状が現れることがあります。これらの症状は通常、感染から7〜9日後に現れますが、離乳直後の子猫では3〜4日後に発症することもあります。特に子猫では、下痢が治りにくく、食欲不振や脱水症状、嘔吐などの他の症状が引き起こされ、致命的になることもあります。
コクシジウム症の診断/検査
コクシジウム症の診断は主に糞便検査によって行われます。糞便中のコクシジウムのオーシストを顕微鏡で確認する方法が一般的です。また、場合によってはより正確な診断を行うためにPCR検査が用いられることもあります。これにより、感染の有無を迅速かつ正確に判断することができます。
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