気胸

※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!

気胸とは?

 胸には、肺の周囲に胸腔(きょうくう)という空間があります。その胸腔に何らかの原因によって空気が漏れ出てたまり、肺が十分に膨らまなくなってしまう病気のことを気胸(ききょう)といいます。一般に交通事故や落下などの事故、喧嘩によることが多い病気です。
 気胸になると、換気が十分に行われなくなり、呼吸器困難などの症状が現れます。

気胸の原因

 通常、肺は胸壁という肋骨や筋肉で作られた壁によって体の外と隔てられています。交通事故や喧嘩などによりこの胸壁に穴が空き、外の空気が溜まったる外傷性気胸、肺炎や先天性、肺癌、寄生虫などのような呼吸器の病気によって気管や肺に穴ができてしまい、そこから空気が胸腔内に漏れ出てしまう自然気胸、検査や手術などで肺に穴が開くなどして空気が漏れ出る医原性気胸があります。

気胸の症状

 一番の症状はやはり呼吸困難です。呼吸は速く浅くなり、口を開けゼーゼーとあえぐような呼吸になります。空気がうまく取り込めないとチアノーゼと言って下の色が紫色になります。これは危険なサインです。
 犬では少しでも楽に呼吸するために、座った姿勢(犬座姿勢)をとりつづけ、横になるのを嫌がることがあります。また可視粘膜(目で見えることができる口や結膜などの粘膜)が白っぽくなる症状などがみられます。

気胸の診断/検査

 問診、視診、触診、聴診、打診などにより推測します。確認のためにレントゲン検査を行います。時には超音波検査、CTなどが必要になることもありますが、状態が悪い場合にはこれらの検査が行えないこともあります。
 原因によっては血液検査血液化学検査なども必要になるかもしれません。

気胸の治療

 軽症の場合には、安静と内科的治療で改善することもありますが、多くは酸素室での酸素吸入が必要となります。症状が重い場合には、針などを使って胸の中の空気を抜く処置が施されることもあります。
 交通事故や喧嘩などが原因で気胸となっている場合には手術を必要とすることもあります。

気胸の予防

 多いのは外傷性気胸ですので、交通事故や喧嘩・事故を防ぐことです。また、気胸の原因にもなる呼吸器疾患の早期発見・早期治療が重要です。

気胸の看護/その他

 気胸の場合、胸腔から空気を抜く必要があるため必要に応じて「ドレーン」とよばれる管を胸腔に設置したり、間隔を置いてその都度胸腔から空気を抜いたりします。
 気胸は時に短時間で緊急的な状態になることもあります。早期の対処が重要になりますので、呼吸が早い、荒い、しづらそうだなど異常な様子がみられたらすぐに動物病院を受診しましょう。

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この記事を書いた人

福山達也