体臭:Body Odors

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体臭とは?

 犬や猫は、人間と同様に自然な体臭を持っています。これらの体臭は、皮膚から分泌される油や腺からの分泌物とその副産物によって形成され、認識や社会的な相互作用、さらにはパートナーの選択において重要な役割を果たします。通常の体臭は耳や足、背中、尾、肛門の周りで特に強く感じられますが、これはこれらの部位に特定の腺が多く存在するためです。このような体臭は、ペットの種類(犬や猫)、品種、年齢、性的状態(去勢や避妊されているかどうか)によっても異なります。自然な体臭は多くの場合、飼い主にとって特に問題となるものではありませんが、異常な臭いが発生した場合、それは何らかの健康問題のサインかもしれません。

体臭の原因

 愛犬や愛猫の異常な体臭の原因はさまざまです。最も一般的な原因は、皮膚や耳の二次感染症です。これらの感染症は、細菌や酵母が関与しており、しばしば他の基礎的な医学的状態に関連しています。また、ペットが適切にグルーミング(シャンプー・カットなど)されていない場合や、腐敗した物質に転がったりすることも臭いの原因になります。さらに、犬や猫は肛門腺(肛門嚢)と呼ばれる2つの臭腺を持っており、これらが分泌する物質が特に強烈な臭いを放つことがあります。この物質は通常、排便時に少量分泌されますが、恐怖を感じたときには大量に分泌されることがあります。

体臭の症状

 異常な体臭の最も一般的な症状には、皮膚や耳の異常が含まれます。ペットオーナーが気付きにくい症状としては、紅斑や脱毛、過剰な分泌物、膿疱、かさぶたの形成、または過剰な鱗屑(ふけ)の発生などがあります。これらの症状は、特に耳管や顔のひだ、唇のひだ、指の間、そして肛門周囲などの部位で見られることが多いです。また、肛門嚢からの分泌物が突然増加することも異常な体臭の原因となる場合があります。

体臭の診断/検査

 異常な体臭の診断は、まず徹底した病歴の聞き取りから始まります。ペットオーナーは通常、ご自身の愛犬や愛猫の通常の臭いに敏感であり、その変化に気付くことが多いです。病歴を聞いた後、完全な身体検査が行われ、異常な臭いが発生している部位を特定します。診断には、皮膚や耳の感染症の有無を確認するための検査が含まれることが多く、必要に応じて細菌培養や酵母検査が行われます。これらの検査により、原因となっている微生物や基礎的な疾患を特定します。

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この記事を書いた人

福山達也