※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!
尿崩症とは?
尿崩症(にょうほうしょう)とは尿の濃縮障害が生じる病気です。原因となる場所により大きく、脳の中枢に原因がある中枢性尿崩症(CDI)と腎臓に原因のある腎性尿崩症(NDI)に分けられます。
犬猫におけるこの病気の発生は稀で、犬種、猫種、性別、年齢などに偏りはないとされています。
尿崩症の原因
この病気は、尿を濃縮したりする作用のあるバソプレシンというホルモンの分泌異常や作用異常により起こります。前述の様に大きく2つに分かれ、中枢性尿崩症(CDI)の場合、炎症、腫瘍、外傷などが原因となりますが、最も多いのは原因が特定できない特発性です。腎性尿崩症(NDI)は子宮蓄膿症、腎盂腎炎、敗血症、副腎皮質機能亢進症、副腎皮質機能低下症、高カルシウム血症など様々な病気に続発して起こります。また、遺伝子の異常による先天的に原発で起こることも知られています。
猫ではほとんどが中枢性尿崩症(CDI)です。
尿崩症の症状
多飲多尿(大量に水を飲み、大量にオシッコをする)が見られます。1日体重1kgあたり犬で100ml以上、猫での50ml以上の水を飲むようであれば多飲です。このような場合はすぐに当院にご相談ください。
中枢性尿崩症(CDI)の場合、痙攣発作などの神経症状が見られることがあります。
尿崩症の診断/検査
尿崩症の診断で重要なのは、多飲多尿を起こす他の病気を除外することです。そのため、問診や身体検査はもちろん、必要に応じて血液検査、血液化学検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを行い、考えられる多くの病気を除外します。
確定診断にはデスモプレシン試験を行います。
年齢にもよりますが、中〜高齢で中枢性尿崩症(CDI)が疑われる場合は、MRI検査なども必要になります。
▶尿崩症の治療・予防・看護法などは次のページへ