尿検査は良い検査

皆さんは愛犬や愛猫に定期的な尿検査をしていますか? 実は私は尿検査大好きです。。。。笑。尿検査は血液検査と比べると安価で、特に泌尿器系や腎臓に関して思ったより多くのことを私達獣医師に教えてくれます。

人間の病院にいくとよく紙コップを渡されて「オシッコ取って来てください」と言われますね? ワンちゃんや猫ちゃんも自分で取ってきてくれると楽なんですが、そうはいきません。どうしてもペットオーナーさんに採尿してもらうか、病院で採尿するしかありませんので、病院によってはあまり行われていないところもあるようです。

とくに腎臓に関して多くのことを教えてくれるのは皆さんのワンちゃんや猫ちゃんを健康で長生きさせるうえで有用です。ワンちゃんや猫ちゃんも年を取ると腎臓が悪くなり、慢性腎臓病を患うことが増えてきます。進行して腎不全になった場合、人間なら人工透析や腎臓移植などが行われます。もちろん技術的には動物でも行えないことはありませんが、費用、施設、平均寿命の問題から正直、現実的ではありません。

そこでポイントになるのが「尿検査」です。健康な時にスクリーニング検査(何か病気があるかどうかを見つける検査)として用いるのには最適です。いち早く腎臓が悪くなりはじめたのを発見してあげれば、今はお薬や専用フードなどで腎臓が悪くなるのを先延ばしにできるからです。

私達獣医師にとって「慢性腎臓病」という診断はあまり難しくなく、病院内の血液化学検査で簡単に分かります。しかし、問題は血液化学検査で分かった段階で少なくとも腎臓は75%以上悪く、かなりダメージを受けていて、腎臓の機能は1/4しか残っていません。しかも、もとに戻すことができません。そうなると、残った腎臓の機能をいかに維持するかになります。そのため、早く見つけてあげるということが非常に重要なのです。

ですから定期的に勧められるのが「尿検査」ということになります。できれば3ヶ月に1回。最低でも半年に1回くらいしてもらえると腎臓病を早期に見つけるきっかけになると思います。特に5歳を過ぎたら定期的に尿検査をしてあげることは賢いペットオーナーになる第一歩かと。。。

※最近は検査機関に出すことによってより早く腎臓病を発見できる検査などもできてきています。詳しくはいつか書きますね。

この記事を書いた人

福山達也