巨大結腸症

巨大結腸症の治療

 巨大結腸症の症状や状態などによっても治療法は異なりますが、一般的には、内科的治療と外科的治療があります。

●内科的治療

 便を軟らかくするために緩下薬や下剤の投与、便を軟らかくする食餌を与え、症状によっては定期的な浣腸や指で肛門から便をかき出す処置を行います。

その他に、嘔吐をしている場合は吐き気止めの投与、脱水している場合は点滴などの対症療法も行います。内科的治療で症状が緩和されるケースもありますが、症状が重度な場合や慢性化したて内科的治療を行っても症状の改善がみられない場合などは、外科的治療を行うことがあります。

●外科的治療

 便がつまって拡張した結腸部分を切除する結腸切除術や、狭い骨盤腔を拡げる骨盤腔拡大手術などがあります。症状や状態などによって、適応時期や手術方法が異なります。

巨大結腸症の予防

 骨盤腔の広さや肥満などがこの病気の発症と関連があるといわれています。成長期の粗悪なフードの給餌、栄養不良や肥満を防ぐことが大切です。ですから、栄養バランスのよい食事を与え、ストレスを与えないようにし、よく運動させ、日光浴をさせるなどして、丈夫な骨格を形成できるように努めましょう。

 また、気分よく排便できるように、普段からトイレを清潔に保つことも発症予防につながります。特に多頭飼育している場合は、動物の数以上にトイレを準備し、こまめにトイレを掃除することを心がけましょう。最近は自動掃除してくれるトイレや外から監視できるカメラで観察するのも良いでしょう。

便秘では、排便の回数も重要です。通常は1日1〜3回程度が一般的で、2〜3日排便が見られないのは異常ですから、こちらも早めに当院を受診してください。

巨大結腸症の看護/その他

 外科的治療を行う場合には、麻酔のリスクや手術後の安静期間、ケア方法、費用などよくご理解ください。

 日頃から排便の様子や食欲などについてこまめなチェックを行うことが大切です。便の硬さや排便の回数などを確認し、異常がみられた場合は早めに動物病院を受診しましょう。早期であれば拡張した結腸は元にもどりますが、慢性化したものは戻りません。そのために早期発見早期治療が重要になります。

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参考文献・資料等
  1. 猫の臨床指針Part2; 96-100


<1>8頭の犬の後天性肥大性巨大結腸症に対して実施した結腸亜全摘手術の長期的な結果
<2>シサプリド回収後の治療:小動物に対する消化管運動改善薬
<3>健常、便秘、および巨大結腸症の猫における結腸のX線画像上の直径
<4>特発性巨大結腸症の猫の結腸亜全摘出術における生体内分解性吻合リングと縫合による吻合との比較
<5>猫の特発性巨大結腸症
<6>猫の骨盤骨折に続発する便秘の管理
<7>メトクロプラミド

この記事を書いた人

福山達也