気管支炎

※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!

気管支炎とは?

犬の肺
犬の肺

気管(きかん)とは、動物の喉から肺に通じる、呼吸の際に空気が流れる管のことです。その気管から肺にはいる、木の枝のように分かれた部分は気管支(きかんし)と呼ばれ、気管よりもさらに細い管で、肺のガス交換を行う組織である肺胞に開口しています。気管支炎はこの気管支部分に炎症が起こる病気です。特に子犬や子猫に多く、鼻炎や咽頭炎に併発することも多く、発咳などの症状が見られます。ウィルス感染が原因であることが多く、特に空気の乾燥した冬場に流行が見られます。

気管支炎の原因

気管支炎の原因には様々なものがありますが、特に多いのはボルデテラ(気管支敗血症菌)とウィルス(ケンネルコフ、ネコ伝染性鼻気管炎、ネコカリシウイルス感染症)や細菌による感染、もしくはそれらの混合感染です。特に抵抗力の弱い子犬や子猫に多く発症します。他には、寄生虫や真菌等の感染、アレルギー、刺激性の煙やガス、化学薬品などの吸い込み、異物の飲み込みが原因となることがあります。

気管支炎の症状

が主な症状です。は、嘔吐時の動作に似ているため、中には吐き気の症状と間違える人があります。原因にもよりますが、のほかには、発熱や呼吸が荒くなるなどの症状もみられることがあります。また、気管支炎の波及により肺炎などが起こることがあり、この場合、呼吸がさらに荒くなり食欲低下などの症状がみられます。

気管支炎の診断/検査

問診、症状などから推測し、レントゲン検査などによりその程度を確認したりするのが一般的です。原因を探るためや、全身状態を把握するために血液検査血液化学検査尿検査なども必要になることがあります。

気管支炎の治療

治療は気管支炎の原因により異なります。感染症が原因の場合は抗生物質や抗ウイルス剤、抗真菌剤などの投与を行います。また、症状にあわせて補液やネブライザー(蒸気吸入器)を使った吸入療法を行なうこともあります。

気管支炎の予防

気管支炎の症状を起こすウイルスの病気の中にはワクチンで予防できるもの(ケンネルコフ(犬)、猫ウイルス性呼吸器感染症(猫伝染性鼻気管炎、ネコカリシウィルス感染症)があります。きちんと定期的なワクチン接種()を行い予防しましょう。

気管支炎の看護/その他

感染症の疑いがあり、多頭飼育で他に動物がいる場合は、蔓延を防ぐためにその動物を隔離し、環境(ケージや食器など)の消毒を行なうことが重要です。また、温度を暖かくし、乾燥している場合が加湿器などで湿度を保つことは症状の緩和につながります。

ご家庭でが出る場合、その様子をスマートフォンの動画で撮影して見せていただけると診断の助けになることがります

は気管支炎だけでなく様々な病気の症状として見られます。早めに当院にご相談ください。

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参考文献・資料等
  1. 伴侶動物治療指針 Vol.10; 77-89:猫の気管支疾患・喘息の病態と治療


<1>犬の気管支軟化症: 内視鏡検査によって診断された18例の臨床病理学的研究
<2>気管支結石症の猫の1例: 臨床所見、長期的展開、および組織病理学的特徴
<3>吸入コルチコステロイドにより治療した呼吸器疾患の犬13頭
<4>犬猫の呼吸器疾患治療に対する吸入療法の利用
<5>軽度の慢性気管支炎を伴う猫において吸入フルチカゾンは気管支の反応性および気道炎症を減少させる
<6>犬の慢性気管支炎の診断のための胸部コンピュータ断層撮影の精度および観察者間の一致
<7>犬の慢性気管支炎に対する新規の治療としてのニューロキニン-1受容体拮抗作用の調査
<8>犬の気管支壁肥厚を評価するためのコンピューター断層撮影での気管支壁厚対肺動脈径比の正確度
<9>慢性咳嗽の犬における環境タバコ煙への曝露などの個体群統計学的所見および病歴所見

この記事を書いた人

福山達也