仔犬の社会化

・社会化は仔犬にとってもっとも大事な時期

 生後10週目くらいまでは、知覚や、運動反射を発達させる、成長にとって重要な時期です。とくに生後6週目頃には、じゃれるという行為が活発になり、筋肉や運動能力が発達し、性格もだんだんはっきりしてきます。この頃から、社会性も身につけていきます。犬どうしの挨拶に、 肛門・顔・生殖器の匂いをかいで相手が何者なのかを確かめるという行為がありますが、この時期にドッグオーナーがそれを嫌がって無理にやめさせると、 他のワンちゃんを極端に恐れるような社会性の乏しい仔にになる場合があります。
 生後10週目くらいから、個性は完成し、なわばり意識を持ち始めます。また、好奇心・冒険心が旺盛で、外の世界に興味を示していきます。そしてこの頃は「怖い」ということを知る時期でもあります。大きな犬から襲われたり、人からひどく厳しく叱られたという経験は、心の傷として一生残ることがあります。しつけのやり方には気を配ってください。
 また、好奇心旺盛な仔は、石ころや植物などをかじり、時にはそれを飲み込んでしまうこともあるので消化管内異物や中毒には十分注意しましょう。
 社会化期と呼ばれるのはだいたい生後12週齢頃までで、仔犬が人や他の犬などとの関わり合いを通して、社会的に適切な行動や経験のパターンを発達させる時期です。動物行動学では、群れで生活する動物の子供が、群れで育つ中で自分の仲間との社会関係を習得し、その群れ社会の一員として必要な下地を身に付けていく時期を言います。
 仔犬を家に迎えてからまずすることは、人への社会化です。社会化期である12週齢、生後3か月までに、子供、男性、見知らぬ人を含む、少なくとも100人に会わせなければいけないと言われます。但し、この月齢ではまだ混合ワクチンがきっちり終わっていない為、散歩で外を歩かせることはできませんので、方法としては、抱っこして散歩に行くか、お家に多くの人に遊びに来てもらう、もしくは遊びに行くのがいいでしょう。その場合も相手のおうちのワンちゃんがきちんとワクチンなどを接種しているか確認すべきです。