※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!
皮膚組織球腫とは?
皮膚組織球腫(ひふそしききゅうしゅ)は、一般に1〜2歳未満(約50%は2才歳以下)の若齢犬に多く見られる皮膚の腫瘍で、頭や耳にできることが多く、次いで四肢にもよくみられます。通常は1ヶ所だけに発生し、ほとんどの場合、良性の腫瘍です。
稀ですが、皮膚組織球腫が複数できる場合は、ランゲルハンス細胞組織球症と言われ、皮膚組織球腫と異なり、治療に反応せず致死的です。
皮膚組織球腫の原因
ウイルスなどの感染が原因ではないかと言われていますが、今のところ原因ははっきりと分かっていません。
皮膚組織球腫の症状
皮膚組織球腫の診断/検査
まずは、問診、視診などを行います。腫瘤のサイズを測定し記録することも重要です。その後、細胞診を行います。その他、確定診断を行うために、生検や病理組織検査、免疫染色などが必要な場合のみ行われます。
皮膚組織球腫の治療
2〜3ヶ月ほどで自然に退縮することが多い腫瘍です。ただし、腫瘍が大きくなったり、経過を観察していても小さくなる様子がない場合には、外科的切除を行います。
切除後の予後は、比較的良好だといわれています。
皮膚組織球腫の予防
皮膚組織球腫の発症原因がはっきりと分かっえいませんので、予防することは困難です。ただ、早期発見による早期治療は可能です。検診を定期的に受診することや日頃からスキンシップを行い体をこまめに触ることを心がけましょう。「腫瘤(しこり)」がみられた場合には、早めに当院にご相談ください。
皮膚組織球腫の看護/その他
定期的にトリミングを行うとプロのトリマーさんが小さな腫瘤を早期に発見してくれることが多々あります。月に1回のトリミングは美容だけでなく健康にも非常に大事です。特に動物病院併設のペット美容室をオススメします。
皮膚に「腫瘤(しこり)」がみられた場合に、見ただけで「様子を見ましょう」という診察が一番ダメです。最低でもサイズを測定し、細胞診は行うべきです。
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参考文献・資料等
- 犬と猫の細胞診と血球診断 第2版;36-38:組織球腫
- 犬と猫の細胞診と血球診断 第3版;71,72,73:組織球性腫瘍
- 小動物における細胞診の初歩の初歩;
<1>犬の組織球性疾患
2101WR,2101VQ