・食生活では下記の食べ物に注意しましょう
まず皆さんがきちんと理解しなければならないのは、ワンちゃんは人間と違う生き物であるということです。「人間にいい食べ物が、必ずしも犬にいいとは限らない」ということを肝にめいじてください。下手をすると病気や中毒、アレルギーを起こす食べ物さえありますので注意が必要です。
人間は「雑食」、犬は「限りなく肉食に近い雑食」であることを覚えておいてください。ちなみに猫は完全な肉食です。
上記のように、犬はもともと肉食動物で、現在は限りなく肉食に近い雑食だと言われます。ですから、野菜などの繊維の分解は苦手です。 かといって毎日肉ばかり与えていると、こんどは栄養が偏って病気になってしまいます。人間との長い共同生活のなかで、必要な栄養素は複雑に変わってきているのです。だから、人が食べているものを犬用に調理しても、栄養のバランスをとることは難しく、塩分も多くなりがちです。きちんとしたドッグフードを与える方が、 手間も省け、体のためでもあるのです。なかでも総合栄養 食であるドライフードが一般の方にはお勧めです。私は愛情をかけた手作り食が一番だと思いますが、犬の栄養学を熟知して時間とお金をかけて作れる人はまずいません。「毎日手作りです」なんて言う人は自らの知識と能力を過信しています。いずれ栄養不足で病気にしてしまいますので、手作り食はたまにあげるくらいで十分です。これらは多くの研究でも分かっています。
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犬に絶対に与えてはダメな食品
食べ物 | 理 由 |
---|---|
ネギ類 (長ネギ、玉ねぎ、ニラ、にんにく等) |
血液中の赤血球を壊す成分(アリルプロピルジスルフィド)が入っているため、大量に摂取すると貧血の原因になります。加熱しても成分が分解されませんので、ハンバーグや餃子、すき焼きの残り汁なども注意が必要です。中毒を起こすと血尿、嘔吐、下痢、発熱などを起こします。→参考:タマネギ(ネギ)中毒 |
チョコレート | カカオの成分(テオブロミン)が原因で、中毒を起こします。中毒を起こすと、嘔吐、下痢、発熱、痙攣などの症状が見られ、最悪の場合死に至ります。→参考:チョコレート中毒 |
ぶどう/レーズン | 腎臓障害の原因になります。皮や干しぶどうも危険です。→参考:ぶどう中毒 |
香辛料 (コショウ、わさび、唐辛子など) |
胃腸障害や感覚麻痺などを起こす可能性がります。 |
キシリトール (ガムや含有食品に注意) |
低血糖をおこし、最悪死に至ります。その他、嘔吐や肝不全を起こします。→参考:キシリトール中毒 |
ナッツ類 (特にマカデミアナッツ) |
中毒を起こします。また、消化が悪いので、嘔吐、下痢の原因になります。→参考:マカデミアナッツ中毒 |
アボガド | 中毒を起こします。→参考:アボカド中毒 |
さくらんぼ | 中毒を起こします。 |
トマト(未成熟) | 未成熟(青いトマト)は中毒を起こします。 |
アルコール | 中毒を起こします。 |
人間用サプリメント | 成分によっては中毒を起こします。人に良いものが動物にも良いとは限りません。 |
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犬に注意が必要な食品(あえて与える必要はない)
食べ物 | 理 由 |
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乳製品 (牛乳・ヨーグルト等) |
乳糖を分解する酵素を持っていない犬が多く、下痢などの胃腸障害の原因になります。長期与えると胃腸が弱くなります。きちんとしたドッグフードと水を与えれば牛乳は不要です。仔犬には仔犬用のミルクを用いましょう。 |
生卵 | 白身に含まれる成分(アビジン)が皮膚炎や抜け毛、成長不良の原因になります。加熱調理して与えれば問題ありません。 |
生肉 | 寄生虫の心配があります。 |
野菜 | 生野菜はあまり消化できません。そのため、消化不良などから嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。 |
甲殻類 (エビ、カニ、イカ、貝類など) |
消化が悪るく、消化不良の原因になりったり、ビタミンB1欠乏症を引き起こす恐れがあります。 |
煮干し、のり |
多く摂取するとマグネシウムの過剰摂取となり、尿路疾患になります。 |
ホウレンソウ (ほうれん草) |
シュウ酸を多く含んでいるため、シュウ酸尿石症の原因になります。 |
カフェイン (コーヒー・紅茶・緑茶) |
カフェインの摂取により、嘔吐、下痢、体温不調、多尿、尿失禁、てんかん発作などが起こることがあります。 |
※これ以外にも与えてはいけない食べ物があります。きちんとしたドッグフードを与えていれば、わざわざわからない危険な食品を与える必要はありません。