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犬の病気
肛門嚢炎/肛門嚢破裂
肛門嚢(こうもんのう)とは犬や猫の肛門の左右にある一対の袋状の器官です。その中にはイタチやスカンクのように独特の悪臭を放つ液体もしくはペースト状の貯留物が入っています。この貯留物は、排便時に肛門が圧迫された時や恐怖を感じた時、また、犬が肛門部を舐めることによっても排泄されます。この肛門嚢(腺)が何らかの原因で炎症を起こしてしまうことを肛門嚢(腺)炎といい、破裂して破れてしまうことを肛門嚢破裂といいます。 犬で多く発症する病気で、ミニチュア・プードル、トイ・プードル、チワワなど小型の室内犬に多い疾患です。猫でも稀にみられます。 -
トピック
てんかん(癲癇)
癲癇(てんかん)とは、発作的に繰り返される全身性の痙攣(けいれん)や意識障害を主な症状とする脳疾患で、繰り返し起こります。犬において最も一般的な発作の原因といわれています。てんかん発作の発症は5歳になるまでみられないこともありますが、一般に6ヶ月〜3歳齢の間に初めて起こることが多いようです(一次性てんかん)。 犬ではの発症率は0.55〜2.3%ですから100頭に1頭程度、猫では0.3〜1.0%ですので、100頭に1頭以下くらいです。 -
犬の病気
マッサージ療法
マッサージ療法とは筋肉などの軟部組織を優しく手で触って行う治療的操作で、リハビリテーションの一つです。自宅でも適切な時期に正しい方法で行えば、治療の助けになります。注意して頂くのは人間のマッサージ法とは同じ部分もあるし、異なる部分もあることです。 動物のリハビリは獣医師だけでなく、獣医医療スタッフやペットオーナーが一体になりチーム意識を持って治療に臨むことが重要です。 以下、マッサージ療法を解説しておきますので、ご自宅での参考にしてください。なお、これ以降のコンテンツは壱岐動物病院をご利用のペットオーナー様への公開となります。マッサージ療法に関しましては、必ず数回は動物病院できちんとした資格(CCRP)を取得している獣医師、獣医看護師、PTなどの施術や指導を受けた後に行うようにしてください。 -
整形外科(犬)
関節炎(犬編)
関節炎(かんせつえん)とは変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)とも言われ、関節軟骨の変化により、痛みなどの症状があらわれる進行性の関節疾患で、肘、肩、膝、股関節など様々な関節に起こります。犬の罹患率は約25%で、4頭に1頭は関節炎を患っています。 統計では10歳以上の約半数の犬に関節の問題があったたとされていますし、一般に関節炎は高齢の動物に発症するイメージがありますが、関節炎の2割ほどは1歳もしくは1歳未満でもおこっているとの報告もあります。 また成犬の20%(成猫では60%)にはレントゲン上で関節炎の兆候は認められるとの報告もあるので、侮れません。そして、この病気の問題はドッグオーナーの約30%は関節炎は愛犬の問題であると言っているのに、関節炎の犬を飼育しているドッグオーナーの約半数は関節炎で痛がっている愛犬の症状に気づいていないということです。これは関節炎の進行速度が比較的緩やかで、明確な痛みのサインなどがわずかなために、高齢になるまで気づかれないことが原因のようです。 関節炎を起こしやすい犬種は、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ニューファンドランド、セントバーナード、ロットワイラーなどで、主に中高齢以上の中〜大型犬に発生が多くとされていますが、トイプードル、ポメラニアン、シェットランド・シープドッグなどにも多く見られるという報告もあります。 -
整形外科(犬)
椎間板ヘルニア
椎間板とは、脊椎と脊椎の間(椎体間)に存在し、それぞれの椎体を連結し背骨の動きを滑らかにしています。椎間板の中心にはゼリー状の髄核があり、その周囲を繊維組織でできた繊維輪が取り巻いています。背骨に外力が加えられたときには、この髄核と繊維輪がその圧力を吸収しています。丁度、ショックアブソーバーのような役割をします。この椎間板に変性が生じ、その内容物が突出することにより脊髄を圧迫・障害し、さまざまな神経症状をひきおこす病気が椎間板ヘルニアです。激しい運動や肥満など椎間板への負担が大きくなると、それを引き金に起こります。 ダックスフンド、ペキニーズ、プードル、シーズー、パグ、ビーグルなどの軟骨異栄養症性犬種と呼ばれる犬種は、若い頃から発症しやすい傾向にありますので注意が必要です。重症になると神経麻痺(マヒ)が起こり、下半身不随になる恐れがあります。もちろん、他の犬種でも発生しますので、どんな犬種でも注意が必要です。 -
犬の病気
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は、アレルギー反応によって引き起こされる皮膚の炎症で、アレルギー症状を引き起こすアレルゲンに対する過剰な免疫応答によって生じます。アレルゲンはハウスダスト、花粉、カビ、ダニ、ノミ、食物などさまざまなもので、痒みが主な症状で、皮膚の赤み、脱毛、発疹なども見られます。診断にはアレルギー検査が使用され、治療にはアレルゲンの特定と除去、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、免疫抑制剤の使用が含まれます。また、予防にはノミ駆虫剤の定期的な使用が重要であり、食事によるアレルギーの場合は特定の食事療法が考えられます。診断や治療には獣医師の指導が必要です。 -
犬の病気
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、犬や猫においてアレルギー物質に対する過剰な免疫反応により、かゆみや皮膚炎が発生する疾患。原因は主に環境中のアレルギー源(花粉、ダニ、カビなど)と遺伝的要因が結びついて発症。症状にはかゆみ、発疹、脱毛が含まれ、治療は抗ヒスタミン薬、ステロイド剤、抗生物質、シャンプー、免疫療法などが用いられる。完治は難しく、症状のコントロールが主要。アレルゲンの除去や皮膚ケアも重要。環境中のダニなどを掃除し、食事にも注意が必要。 -
呼吸器科(犬)
気管虚脱
気管虚脱は気管の変形によって呼吸障害を引き起こす疾患で、中高齢の小型犬によく見られます。原因は不明確で遺伝、肥満、環境要因が関連している可能性があります。症状には咳や呼吸困難が含まれ、治療には内科治療、外科手術、薬物投与などが用いられます。予防方法は不明確ですが、肥満を防ぎ、首輪の代わりにハーネスを使用し、環境刺激物質を避けることが重要です。家庭では獣医師の指導に従い、投薬や体重管理を行い、定期的に症状をチェックしましょう。 -
内分泌科(犬)
糖尿病(犬編)
糖尿病はインスリン不足または効果不足により、血糖値が高くなる病気で、犬にも見られます。糖尿病の原因は膵臓機能の低下や身体の反応不良が主な要因で、主にⅠ型とⅡ型に分類されます。症状には多飲多尿、体重減少、合併症が含まれます。診断は高血糖と尿糖の同時検出で行われます。治療にはインスリン投与が一般的で、予防には適切な食事と運動が重要です。インスリン療法の副作用には低血糖があり、注意が必要です。糖尿病は飼い主の健康とも関連しており、スエーデンの報告では犬がII型糖尿病の場合、飼い主もII型糖尿病にかかるリスクが高まることが示唆されています。 -
トピック
膀胱炎(犬編)
膀胱炎は犬に多い病気で、膀胱に炎症が起こる病状。原因は細菌感染や結晶・結石があり、尿検査や超音波で診断。治療には抗生剤が使われ、結晶や結石の治療も行われる。予防には食事の管理と水分摂取を重視し、再発を防ぐために指示通りに薬を与える必要がある。症状が悪化する場合は腎臓に波及することもあるため、早期の診療が重要。 -
消化器科(犬)
消化管内異物
消化管内異物は、誤って摂取した異物が食道、胃、小腸、大腸などの消化管内に留まる状態。誤飲の原因となり、異物の種類によりさまざまな症状が現れます。診断には検査が必要で、治療には観察、催吐、内視鏡、手術などが含まれます。異物の中毒や毒性を考慮する場合もあります。予防策として、異物へのアクセスを制限し、異食の癖に気をつける必要があります。再発性が高く、再度摂取した場合は緊急処置が必要です。 -
消化器科(犬)
下痢:Diarrhea
下痢は液状または液状に近い便が排泄される状態。原因は食事、感染、ストレスなどで多岐にわたり、診断には詳細な情報と検査が必要。治療は原因によって異なり、軽度の場合は経口補液剤を用いる。慢性下痢や全身症状がある場合、正確な診断と処方が必要。自己判断で薬や処方食を使うのは避け、動物病院の指導に従う。予防には適切なペットフードとワクチンが基本。激しい下痢や脱水症状がある場合は迅速に動物病院へ。