細胞診検査:Cytodiagnosis
・細胞診検査はどんな検査?
細胞診は細胞を顕微鏡で観察する検査です。「できもの」や「しこり」の場合は一般に小さな注射針をつかって「できもの」や「しこり」内部の細胞を採取して、顕微鏡で「どのようなタイプの細胞なのか?」「細胞の形態に異常はあるか?」など様子を観察し、「できもの」や「しこり」の原因としてどのような可能性(腫瘍なのか? 炎症なのか? 感染なのか? など)があるかを評価します。
・細胞診検査で何が分かるの?
前述のように「できもの」や「しこり」の原因は癌などの腫瘍だけとは限りません。細菌や真菌などの感染であると分かれば抗生物質や抗真菌剤で、炎症であれば抗炎症剤などで治療できる可能性が高くなります。「できもの」や「しこり」すべてに手術が必要というわけではないのです。もちろん細胞診検査で「できもの」や「しこり」が腫瘍であったなら、遺伝子検査をしたり、切除手術をしたりと細胞診検査で得られた情報で、次に進むべき検査や手術の必要性などを判断し、今後どのような治療を行うのがベストなのかなど、この先の診断・治療方針を決定するのに非常に役立ちます。
主な解釈
(1)病原体
細菌、真菌 、寄生虫など
(2)炎症
(3)腫瘍
細胞形態的に良性なのか、悪性なのかを判断できることはありますが、良性腫瘍なのか、悪性腫瘍なのかは厳密には腫瘍を切除して病理組織検査を行う必要があります。
(4)その他
水腫、膿腫、血腫など
※「できもの」や「しこり」と言っても炎症や腫瘍などでだけでなく、水や膿、血などが溜まったできものである場合もあります。もちろん炎症や腫瘍と共にこれらが起こることもあります。
細胞診検査では細胞を採取する際に注射針を使用しますが、採血や投薬に使われる針と同じものでから、感じる痛みは最小限です。
通常より大きな針をなどを用いる場合、動物がおとなしく細胞診検査を受けてくれず、より安全に検査を行う必要がある場合には、鎮静や局所麻酔・全身麻酔が必要になります。
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検査時間
染 色:15〜30分程度(染色の種類による)
検査結果:院内検査なら15分〜1時間程度
※時には専門医の意見を聞くために数日必要になることもあります。
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注意事項
ー採取する材料によっては判定できないこともあります。
ー確実に組織などを採取するために何度か針を刺すことがあります。
ー処置を嫌がる場合は、鎮静や全身麻酔が必要になることがります。
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参考文献・資料等
- 犬と猫の細胞診カラーアトラス
- 犬と猫の細胞診と血球診
- 犬と猫の皮膚の細胞診
- 伴侶動物の臨床病理学 第3版
- 細胞診のすべて
- 犬と猫における細胞診の兵法
- Dermatology Diagnostics: Cutaneous Cytology
- Review on Diagnostic Cytology: Techniques and Applications in Veterinary Medicine
- Top 5 Fine-Needle Biopsy Sample Collection & Handling Errors
<1>英国獣医臨床での細針吸引手技の利用について調査する前向き研究
<2>細胞学的診断: 臨床病理学者による可能性に関する表現法
<3>急性腹症における細胞診と貯留液の分析
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