キシリトール中毒

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キシリトール中毒とは?

 キシリトールは人工甘味料の一種で、砂糖と同じ甘さでカロリーが抑えられるため、キャンディーやクッキー、飲料など様々な食品に砂糖の代用として用いられています。また、キシリトールは、歯垢の中の虫歯の原因菌の働きを弱める作用があることなどから、ガム、歯磨き粉など歯科用の製品でも多く使われています。
 しかし、人間には有用なこのキシリトールですが、犬では中毒を起こし、低血糖や急性の肝不全により、死に至ることもある危険な物質であることを知っておいてください。
 私はいつも言いますが、人間に良いものが動物にも良いと思ったら大間違いです。

キシリトール中毒の原因

 キシリトール中毒の原因はキシリトールの摂取ですが、この詳しい仕組みは残念ながら、よく分かっていません。ただ犬ではキシリトールを摂取することにより、膵臓からインスリンが過剰に分泌し、劇的な低血糖を引き起こします。さらに、これに伴い、急性の肝障害(肝不全)も起こります。
 報告での中毒量は、体重1kg当たり0.03〜0.1 g以上で低血糖が現れたとされています。特に更に0.5g以上の摂取した場合、9~72時間後に肝臓の壊死や劇的な肝不全を引き起こすとされています。

キシリトール中毒の症状

 キシリトールの摂取から症状発現までは通常30〜60分以内と急激です。ただ、それ以外にも12時間以内に症状が遅れて現れる例も報告されています。
 キシリトール中毒の主な症状には低血糖、元気消失食欲不振嘔吐下痢、メレナ、黄疸、痙攣などが見られます。

キシリトール中毒の診断/検査

 通常、血液化学検査で血糖値を測定します。キシリトール中毒での低血糖は時間が経過してから現われることも多いので、何度か血糖値をモニターすることがすすめられます。また、全身状態をは把握するために、その他の血液化学検査血液検査尿検査なども必要になります。

キシリトール中毒の治療

 低血糖が見られる場合はまず輸液療法(点滴)などによりブドウ糖の投与を行いながら血糖値を測定して確認していきます。
 肝臓障害が見られる場合は、肝庇護剤などの投与も同時に行います。

キシリトール中毒の予防

 当然ですが、キシリトールを含んだ製品を犬に与えないことが、予防となります。キシリトールを含む製品を遠ざけたり、犬が開けられないような場所にしっかりと保管しましょう。
 以前は、犬用のおやつにもキシリトールが含まれているものもありました。成分表を見て、キシリトールが含まれていないことを確認してから与えましょう。

キシリトール中毒の看護/その他

 キシリトールを含む製品を食べた時点で症状がなくても、必ず動物病院を受診してください。行く際には、食べた製品と食べた量をできる限り把握して伝えましょう。製品や空き箱が残っていればそれらも持参してください。
 キシリトール中毒も個人差があり、同量のキシリトールの摂取でも、回復する犬もいれば死亡する犬もいますので注意が必要です。

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参考文献・資料等
  1. 犬の内科診療 Part1; 480:中毒(キシリトール)


<1>犬におけるキシリトールの経口摂取に関する回顧的評価: 192症例(2007~2012)
<2>犬のキシリトール中毒
<3>犬のキシリトール中毒
<4>キシリトール摂取に関連して急性肝不全および血液凝固障害を起こした犬8例

この記事を書いた人

福山達也