コクシジウム症:Coccidiosis

コクシジウム症の治療

 コクシジウム症の治療は抗寄生虫薬を使用して行われます。以前はサルファ剤を1週間程度投与する治療法が一般的でしたが、最近ではトルトラズリルという抗コクシジウム薬が単回または数回の投与で高い有効性を示しています。脱水症状が見られる場合には点滴や経口補水液を用いて補水を行い、支持療法を行います。治療の効果を確認するためには、糞便検査を定期的に行い、完全に駆虫されるまでの経過を観察します。

コクシジウム症の予防

 コクシジウム症の予防には、清潔な環境を維持することが最も重要です。ペットの生活環境を清潔に保ち、糞便を早めに処理することで感染を防ぎます。また、定期的に獣医師の健康チェックを受けることで早期発見が可能です。新しく家に迎えたペットはしばらくの間既存のペットと隔離し、感染の有無を観察することも予防に有効です。オーシストの消毒には熱湯が有効であり、再感染や他の猫への感染を防ぐために徹底した清掃と消毒が必要です。

コクシジウム症の看護/その他

 コクシジウム症が確認された場合、ペットの居住スペースやおもちゃ、食器を徹底的に清掃・消毒することが重要です。感染中は消化に優しい食事を提供し、ペットが十分な栄養を摂取できるようにします。脱水症状を防ぐため、常に新鮮な水を提供することも必要です。処方された薬を正確に与え、獣医師の指示に従って治療を続けることが、ペットの健康回復に繋がります。

 コクシジウム症は、糞便検査で感染が確認でき、治療を行えば治せる疾患です。しかし子猫の場合、感染に気付かず治療を行わなければ、下痢などの症状が悪化し体力を消耗して、最悪の場合は命に関わる危険性があります。新たに子猫を迎え入れた際は、便の状態が問題なくとも念のため糞便検査を行い、感染の有無を確認することが大切です。また、感染が確認された場合は迅速に適切な治療を行い、ペットの健康を守るために必要な措置を講じましょう。

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参考文献・資料等
  1. 猫のコクシジウム症に対するトルトラズリルの有効性

 


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この記事を書いた人

福山達也