発咳

発咳の治療

 治療は原因が分かれ原因に対する治療ですが、対症療法的には、抗生物質、抗ウイルス剤、鎮咳剤(ブトルファノール、マロピタントなど)、気管支拡張剤、抗アレルギー剤などが用いられます。
 お薬を霧状にして投与するネブライジングをすることもあります。
※なお、当院では国内未発売の鎮咳剤などを海外から許可を得て輸入し、処方することがありますので、ご了承下さい。

発咳の予防

 犬伝染性気管支炎(ケンネルコフ:犬パラインフルエンザウイルス感染症(CPIV)犬伝染性喉頭気管炎(CAV-2:犬アデノウイルス2型感染症)猫ウイルス性呼吸器感染症(猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス)、フィラリア感染症などはワクチンや予防薬できちんと予防しましょう。
 犬はフードを急いで食べることで咳をする場合があります。このような場合は、少量ずつ与えたり、早食い防止用の食器を使うとよいでしょう。また、給水ボトルが原因で咳がでることがありますので、このような場合は、床に給水皿に変え、床に置いて水を飲ませるといいでしょう。タバコは動物の呼吸器(人間にも)に悪影響です。動物と同じ空間でタバコを吸わない。吸ったら30分は近づかないことを心がけましょう。(但し、タバコは慢性発咳のリスク因子ではなかったとの報告もあり<1>

発咳の看護/その他

 咳かどうか分からないとか咳のような症状を呈しているようならスマートフォンのカメラで動画を撮影し、その動画を見せてもらえると診断の助けになります。

 お家に来たばかりの子犬が咳をしている場合は、ケンネルコフが疑われます。放っておくと悪化したり慢性化することがあるので、早めに当院にご相談ください。
 咳には色々な病気が隠れている可能性があります、日ごろから飼育動物の様子をよく観察して、そのサインを見逃さないようにしましょう。たかが「咳」とほっておくと急激に症状が悪化して手遅れになることもあります。何より咳は異常ですし、愛犬。愛猫はストレスを感じています。早めに当院にご相談ください。
 なお、咳以外にも以下のような症状がみられる場合は危険です。早急に当院を受診するか獣医師の診察を受けてください。

  • 口を開けて呼吸している(特に猫)
  • 舌や歯茎が蒼白
  • 横になれない
  • 横ななってぐったりしている

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参考文献・資料等
  1. プライマリー・ケアのための診療指針; 147-153
  2. 伴侶動物治療指針 Vol2; 120-126:犬と猫の咳を止めたいときの治療法


<1>慢性咳嗽の犬における環境タバコ煙への曝露などの個体群統計学的所見および病歴所見

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瀬戸口 明日香先生の「明日から役立つ」シリーズ 第9回 発咳へのアプローチ (前半)
瀬戸口 明日香先生の「明日から役立つ」シリーズ 第10回 発咳へのアプローチ (後半)
堀 泰智先生の「循環器シリーズ」 第1回 心疾患が来院した時におさえておくpoints 〜身体検査の基礎知識〜
・堀 泰智先生の「循環器シリーズ」 第2回 心疾患を診る際にやっておくべきこと!知っておくべきこと! 〜発咳の鑑別と治療〜

この記事を書いた人

福山達也