肥大型心筋症の治療
肥大型心筋症は、基本的には完治しない病気です。内科療法により心臓の動きを整えたり、血栓を予防したりします。これらは「治す」ためではなく、「今の状態をある程度改善」したり、「悪くならないようにするため」のもので、一生涯続ける必要があります。
肥大型心筋症の予防
定期的な検査を行って、早期発見、早期治療に努めましょう。特にメインクーンとラグドールを飼育されている場合は事前に遺伝子検査をされることをお勧めします。
肥大型心筋症の看護/その他
肥大型心筋症は突然死や動脈血栓塞栓症の可能性もある病気であることをご理解下さい。
できるだけ興奮を避けるように飼育し、他院を受診する場合は獣医師に肥大型心筋症に罹患していることを伝え、無用な点滴や皮下点滴、輸血などに注意してください。
心筋症の最も重大な合併症の一つとして血栓症があります。血栓症を予防するためにご家庭ではヘパアクト[5]などのサプリメントを用いるのも一つだと考えられます。ご希望の方は当院受付けにてお申し出ください。
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動物医療保険をお持ちの方は診察前に保険証を提示してください!
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参考文献・資料等
- 猫の臨床指針Part1; 97-110:肥大型心筋症
- 猫の臨床指針Part1; 117-123:大動脈血栓塞栓症
- 猫の臨床指針Part1; 326-333:大動脈血栓塞栓症の救急治療
- 猫の臨床指針Part1; 376-378:遺伝性心筋症
- 日常診療に潜む血栓症 ~サプリメントによる血栓症リスク低減への挑戦~
- ACVIM consensus statement guidelines for the classification, diagnosis, and management of cardiomyopathies in cats
- 猫の臨床指針Part1; 80-87:心臓のバイオマーカー
- ネコの肥大型心筋症
- 新伴侶動物治療指針 Vol.1;47-75:猫の肥大型心筋症