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猫の病気
多飲多尿
多飲多尿(たいんたにょう)とは読んで字のごとく「たくさん水を飲んで、たくさんオシッコをする」ことです。英語では「Polyuria Polydipsia」(多尿多飲)」あるいはPU/PDと書きます。日本語だと、多飲多尿と逆が一般的です。多飲多尿で問題になるのが「多飲」なのか「多渇(たかつ)」なのかということです。たくさん水を飲んでしまうから、たくさんオシッコが出てしまっているのか、たくさんオシッコが出てしまうから、のどが渇いてたくさん水を飲むのかどちらかということです。犬や猫の場合、実際は多飲が先に起こることは極めて少ないと言われています。すなはち殆どはたくさんオシッコが出るので、喉が乾いて水をたくさん飲むということが多いということになります。 ちなみにオシッコの回数が増えるのは頻尿(ひんにょう)になるので、多尿とは違いますので注意してください。1回のオシッコの量が多いのが多尿です。 多飲は犬の場合1日体重1kgあたり100ml以上水を飲むなら、猫だと同じく体重1kgあたり50ml以上飲みならが一つの目安です。多尿は犬猫ともに1日あたり体重1kgあたり50ml以上のオシッコをする場合です。 -
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マラセチア皮膚炎
マラセチアとは、人を含む動物の皮膚に常在する酵母です。通常でも常在菌として正常な皮膚にも存在しますが、しばしば皮膚疾患や外耳炎を引き起こすことがあり、犬の慢性皮膚疾患の原因になります。また、特発性だけでなく、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、甲状腺機能低下症などに併発して起こります。 -
猫の病気
発熱
発熱(はつねつ)とは、病気に伴う兆候や症状の一つで、動物病院では熱発(ねっぱつ)とも言います。発熱は、生理的や深刻ではないものから生命を脅かすものまで、さまざまな原因によって引き起こされます。 犬や猫の平熱は人よりも高く、大体38.3度から38.8度くらいです。個体差があるので、日頃から体温測定をしてその子の平熱を知っておくことがとても大切です。平熱を大きく上回る(もしくは下回る)場合は、すぐに当院にご相談ください。通常平熱を0.5℃上回る39.3℃(または下回る:37.8℃以下)以上の場合は異常がかくれているかもしれません。40℃を超すと確実に熱があるといえますので、すぐにご相談ください。 -
猫の病気
猫伝染性腹膜炎 (FIP)
猫伝染性腹膜炎:FIP(ねこでんせんせいふくまくえん:エフアイピー)は、猫に腹膜炎などを起こすウイルスによる病気です。多くの猫がこのウイルスに感染すると言われていますが、ウイルスに感染しただけでは発病しませんが、一部の猫(12%程度)で、ストレス(過度な多頭飼育、出産、栄養不良、猫免疫不全ウイルス:FIV感染、猫白血病ウイルス:FeLV感染、手術など)やその他のファクターが一緒になって発病するのだと考えられています。約7割の猫が1歳未満で発症しますが、稀ですが高齢でも見られる病気です。 -
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黄疸:Jaundice
黄疸(おうだん)とは、胆汁色素であるビリルビンが過剰に産生されたり、排泄能力の低下により、血液中にビリルビンが増加して、皮膚や粘膜、血清などが黄染(黄色くなること)することをいいます。 ビリルビンは、赤血球中の血色素であるヘモグロビンが分解されたときに生じます。このビリルビンは、肝臓で処理された後、胆汁とともに胆嚢に貯蔵され、腸管内に排泄されます。その後、腸内の細菌によって分解され、便や尿とともに体外に排出されます。 黄疸は病気の名前ではなく症状の一つですので、そのため、ビリルビン増加の原因となる疾患を特定し、治療にあたることが重要になります。 -
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ぶどう膜炎
目の組織のうち、瞳孔(黒目のこと)の周りの眼球の色がついている部分である「虹彩(こうさい)」、水晶体を取り囲んで水晶体の厚みを調節する毛様体筋がある「毛様体(もうようたい)」、強膜(白目のこと)の内側にある膜である「脈絡膜(みゃくらくまく)」を総称して「ブドウ膜」といいます。「ブドウ膜」には目に栄養を与えるための毛細血管が分布しており、眼球の内部を覆っています。何らかの原因により、このブドウ膜の一部もしくは全体に炎症が起きるのがブドウ膜炎です。 -
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熱中症(熱射病:Heatstroke)
熱中症とは日射病や熱射病などの総称で、夏場などの温度や湿度が高い時期(5月から10月)に特に注意をしたい病気です。直射日光や温度や湿度の高い環境下に長時間いたり、そのような環境下で運動を続けることにより体温が上昇します。すると、人間と同じような汗をほとんどかかなので体温調節機能が正常に機能しなくなり、異常に体温が上昇(40.5℃以上)してしまいます。 実は真夏より、動物の体が暑さに順応する前の初夏に多いので注意してください。 特に、シーズー、パグ、フレンチブルドック、ブルドック、ペキニーズなどの短頭種、それに日本の保険会社の統計ではゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバーも多いとされています。猫ではペルシャやエキゾチック・ショートヘアー、ヒマラヤン、さらに肥満気味の犬猫、加齢(高齢)、心臓病や呼吸器の持病が有る場合などに起こりやすいといわれているので注意が必要です[1]。 猫は犬に比べて熱中症には強いとされていますが、それでも夏場の締め切った室内などでは起こるので注意が必要です。 -
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フェノトリン中毒
フェノトリンは、ピレスロイド系殺虫剤の一種で、ノミ取りシャンプーやノミ駆除スポットオン製剤などに持ちられている薬剤で、日本では未だ多くの市販製品に使用されていますが、アメリカでは猫への使用が問題視されている薬剤です。 -
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猫の保険請求理由TOP30 2012年版
pets 動物医療保険をお持ちの方は診察前に保険証を提示してください! ■猫の保険請求理由TOP20 […] -
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痴呆(認知症:認知機能不全症候群)
「痴呆(ちほう)」とは一般には「ボケ」とも言われます。これは、発育した脳が加齢などにより損傷されて、それまでに獲得していた知的能力が低下してしまっている状態で、現在では「認知症(にんちしょう)」「認知機能不全症候群(にんちきのうふぜんしょうこうぐん)」などとも言われます。 近年では獣医療の進歩に伴いワンちゃんや猫ちゃんの高齢化が進み、その結果、老齢に伴う認知症が増加しています。カリフォルニア大学の研究では11〜12歳の約28%、15〜16歳の約68%の犬に認知機能障害が現われると報告されています。猫では11〜14歳の約30%、15歳以上の約50%で見られるとされています。 また、犬では小型犬に多く、雄(オス)よりも雌(メス)に多く、未去勢雄よりも去勢雄に多い(長生きするから?)と報告されています。また、てんかんを持っていると発症しやすいとの報告もあります。 さらに、好発犬種としては柴犬や日本犬系の雑種がなりやすいと言われてますが、そうではなく年齢(加齢)が大きなリスク要因であるとする報告もあります。 以前は、犬の痴呆症は人とお -
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副腎皮質機能低下症(アジソン病)
副腎皮質機能低下症(ふくじんひしつきのうていかしょう)は俗に「アジソン病」と呼ばれることもあります。副腎は、左右の腎臓の近くにあり、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌する大切な内分泌器官です。このコルチゾールは、糖代謝や脂質代謝、タンパク質代謝、体の免疫系やストレスに対する作用などさまざまな働きを担っています。 副腎皮質機能低下症になると、この副腎皮質ホルモンの分泌が低下することにより、さまざまな症状が引き起こされます。若齢〜中年齢(平均約 4 歳齢)の雌犬(特に避妊手術をしていない雌)で多く、海外では純血種に多いと言われています。猫では珍しい病気です。 -
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子宮蓄膿症
子宮は、雌(メス)犬や猫の腹腔内にあるY字型の生殖器官です。子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)とは、この子宮内に細菌感染が起こることで膿が溜まり、さまざまな症状を引き起こす病気です。猫に比べると犬に多く見られ、女性ホルモンの影響を受けやすく、特に子宮粘膜が増殖している発情後期に細菌感染が起こりやすいため、避妊手術をしていない中高齢での発症が多い病気です。避妊手術をしていないメス犬では最大19%程度が10歳までにこの病気になると報告されています。通常の子宮はもし細菌が侵入しても防御システムが働き排除できるのですが、発情出血後の発情休止期にはこの防御システムがうまくいかず感染が成立してしまいます。そのため、だいたいこの病気の数週間前に発情がきていることがおおい病気です。 また、子宮蓄膿症の発症には卵巣からのホルモンの分泌が関係しており、卵巣摘出を行っていればほとんど発症せず、当たり前ですが卵巣子宮摘出をしている場合には発症しません。 経産の犬よりも未経産の犬で多いと言われています。