Glu(グルコース:血糖値)とは?
グルコース(Glu)は一般には血糖値(けっとうち)と言われます。厳密にはグルコース(ブドウ糖)と血糖値は違うのですが、通常は同じものとして扱われます。
動物は生きていくために食事をします。その食事の中の炭水化物からグルコース(ブドウ糖)を取り出し、エネルギーにします。このグルコース(ブドウ糖)は血液を使って体の隅々に運搬されます。その血液中のグルコースの濃度が血糖値というわけです。
体を動かすエネルギーの元となるグルコースは、膵臓から出るインスリンなどのホルモンや自律神経の働きにより、ほぼ一定に保たれるように調節されています。ところが糖尿病[犬・猫]、甲状腺機能亢進症や副腎皮質機能亢進症などにより糖代謝に異常が生じると、この値が上昇し高血糖となります。逆に、インスリンの過剰投与や膵臓に疾患がある、甲状腺機能低下症、過度の栄養摂取量不足などのときには血糖値が低下し低血糖となります。
血糖値が基準値より高い状態を、高血糖(こうけっとう)といい、低いと状態を低血糖(ていけっとう)といいます。血糖値が高いときの病気としては、皆さんご存知の「糖尿病」がありますが、単純に血糖値が高い=糖尿病ではないので注意が必要です。
参考基準値(富士ドライケム) | ||
---|---|---|
犬 | 猫 | 単位 |
75〜128 | 71〜148 | mg/dL |
※こちらの基準値は当院で使用しております。富士ドライケムの参考基準値です。他の測定器や外注検査では異なりますので、ご注意ください。
Gluが高値↑のときは?(高血糖)
Gluが低値↓のときは?(低血糖)
血糖値が低い低血糖の場合は、敗血症、肝不全、腎不全、腫瘍など、重大な病気が隠れていることがありますので、ホルモン検査、レントゲン検査や超音波検査などを含め、詳しい検査が必要です。
主な病気に、多血症、腎不全、敗血症、副腎皮質機能低下症(犬)、下垂体機能低下症、インスリノーマ、肝不全、門脈体循環シャント(後天性または先天性)、特発性(若齢性、新生子)、肝臓腫瘍(平滑筋腫/平滑筋肉腫、血管肉腫、肝細胞癌)、膵臓腫瘍などが考えられます。
低血糖は命に関わる状態であることが多いので注意してください。
※ある種の薬などでも低下することがありますので、何か薬やサプリメントを飲ませている場合は必ずお申し出ください。
血液検査・血液化学検査に関する注意点
- 検査の結果が「基準値」から外れていても必ずしも異常を示すものではありません。他の検査項目や症状などと見比べる必要があります。詳しい結果の解釈につきましては、その都度お話いたします。
- 当院ではセカンドオピニオンのためにも必ず検査データをお渡しします。動物病院で血液検査・血液化学検査・尿検査などを行った場合は必ず検査結果(基準値入)をもらうことを推奨します。それは病気の経過を判断したり、セカンドオピニオンを受ける時に役立ちます。今どき、検査結果をもらえない病院はおかしいと思ったほうがいいでしょう。
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動物医療保険をお持ちの方は検査前に保険証を提示してください!
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参考文献・資料等
- 伴侶動物医療のための鑑別診断;274-276:グルコース
20 WR、20 VQ