骨折

骨折とは?

 骨折とは骨の外傷のことです。身体の外部からの力により骨の連絡が一部または全部絶たれている状態をいいます。
 犬や猫の骨折は、おもに交通事故や高所からの落下などによって起こります。特に骨が細いトイプードル、ポメラニアン、チワワなどの小型犬は、抱っこや高いところからの落下、椅子やソファーからの飛び降り事故等によって骨折を起こしやすい犬種です
 また、外飼いの猫も交通事故や落下などにより骨折が起こりやすいので注意が必要です。

骨折の原因

 一歳以下の若い時には抱っこしていての落下、それ以上の年齢では交通事故などが主な原因になります。他にも栄養の問題、骨腫瘍や、ホルモン疾患により骨が弱くなることが要因になることもあります。

骨折の症状

 症状は骨折した部位や状態により様々なです。一般的に骨折が起こると、骨折した骨のまわりが腫れて、激しい痛みがあり、熱を持ったりします。
 前足や後ろ足の骨が折れると、折れた足をかばうように地面から上げて歩くようになり、ひどい場合は足の向きや形がおかしくなることもあります。脊椎や骨盤を骨折すると歩けなくなったり、排便や排尿に障害が出たり、肋骨だと呼吸困難などが起こることもあります。顎の骨が骨折すると食べることができないなどなど、骨折の部位や状態で症状は違います。
 交通事故や落下事故では骨折だけでなく、内臓や頭部などにも損傷を受けていることがあり、その場合、損傷を受けている部位や程度によって様々な症状が起こります。

骨折の診断/検査

 通常は問診、症状、視診、触診などから骨折を疑い、レントゲン検査を行います。ただ、時にはレントゲン検査を行うにあたり、鎮静全身麻酔が必要になることもあります。また、状況によっては骨折の確認よりも救命処置などが優先されます。
 もちろん、全身状態を知るために血液検査血液化学検査尿検査なども必要になります。

骨折の治療

 骨折の治療法は骨折の状態や部位、年齢、費用などによって様々なものが選択されます。治療の基本は骨折した骨をもとの正常な位置に戻し固定し、骨が再生するまで待つことです。これには様々な方法がありますが、最も一般的なのはステンレス製のピンやプレートと呼ばれる板をネジで固定したりすることです。症状が軽い場合はギプスによる固定と運動制限などでを行うこともありますし、創外固定と言って特殊な器具で治療することもあります。
 特に小型犬種の前肢が骨折した場合、骨折した周りに筋肉が少なく血流に乏しく、骨折の治りが悪いとされています。体が小さい動物ほどその傾向は強く、手術も非常に困難になります。
 手術やギプス固定した後は、運動を制限したり、リハビリも重要になります。

骨折の予防

 落下や交通事故を防ぐことが重要です。室内においても、高ソファーや階段は間にもう一段、段を設ける、抱き上げる時には注意するなど落下事故等が起こらないような環境づくりを心がけましょう。お散歩の時は首輪とリードをつけ、リードが外れないよう、首輪のサイズなどに気をつけましょう。ノーリードの散歩は以ての外です。
 猫での最善策は、完全室内飼育し、交通事故や落下事故を防ぐことです。また、マンションの高層階に住んでいる場合は、ベランダなどからの転落事故が起きないように、窓を開けっぱなしにしない、猫をベランダに出す際には目を離さないなど、日頃から注意しましょう。
 骨折に気づかずに放っておいてしまうと、骨が変な形でくっついたり、のちに、変形性関節症を起こしやすくなったりすることがあります。歩き方がおかしかったり、外出から帰宅後、普段とは様子が変わっている場合には、必ず動物病院で診察を受けましょう。
 また、仔犬、仔猫の時期の食餌は栄養バランスの調った食餌を与え、骨が健全に発育するよう心がけましょう。

骨折の看護/その他

 動物病院で処方されたお薬はきちんと飲ませ、指定された注意事項(運動制限など)や再診、リハビリはきちんと行い、一日も早い回復に努めましょう。

骨折後の回復に関して、リハビリ(理学療法)は重要です。但し、リハビリを行う場合は、CCRPなどきちんとした専門資格を持つ獣医師や愛玩動物看護師、PTの指導を受けて行いましょう。

 交通事故や落下事故等の場合、骨折だけでなく内臓の損傷を受けていることも多いので、早急に治療を受けることが大切です。

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  2. Definitive Treatment of Limb Fractures With Splints or Casts


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この記事を書いた人

福山達也