シトラスオイル中毒

※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!

シトラスオイル中毒とは?

 シトラスオイルとはみかんやオレンジ、ダイダイなど柑橘系植物から作ったオイルで、アロマオイル、芳香剤、食器用洗剤、シャンプーや動物用の虫よけなどにも使われていたりします。特にアロマオイルは成分が濃縮されていますので、危険度が高く注意が必要です。

自然のものだから猫にも安全と誤認されていますが、シトラスオイルで猫の中毒が起こることがありますので注意してください。また、犬用の虫よけなどを猫に用いると犬の推奨容量でも猫にとっては致死的になることもあるので、絶対に使用しないでください。

シトラスオイル中毒の原因

 中毒の原因は柑橘類も皮に含まれるリモネンリナロールという成分です。

シトラスオイル中毒の症状

 症状としては舐めたことによる過剰な涎や皮膚炎。摂取したことにより、振るえ、低体温、運動障害、麻痺、散瞳、神経症状、低血圧などが起こし、最悪の場合死亡することもあります。

シトラスオイル中毒の診断/検査

 重要なのは問診やシトラス臭の確認です。その後、一般身体検査、血液検査血液化学検査尿検査が必要になります。

シトラスオイル中毒の治療

 皮膚に付いた場合は、食器用洗剤で皮膚を洗い除染します。摂取後4時間以内であれば胃洗浄を行います。その後活性炭投与を投与します。さらに輸液、保温、酸素吸入などの対症療法を行います。

シトラスオイル中毒の予防

 猫を飼育している方はアロマイオルを炊くときには成分に十分注意してください。また、猫の周囲にシトラスオイル製品を置かない、使用しないことを心がけましょう。

​​​​​​​犬用の製品を勝手に猫に使用しないようにしましょう。

シトラスオイル中毒の看護/その他

 自然なものなので「安心」は単なる思い込みです。自然のものでも毒物や危険なものはたくさんあります。また、人間にいいものが動物にもいいというのも単なる思い込みですから注意してください。

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参考文献・資料等
  1. 猫の臨床Part1.364
  2. 伴侶動物のための救急医療.234-235


<1>.d-リモネンを主成分とする殺虫性シャンプー使用後に発症した猫の急性壊死性皮膚炎、及び敗血症

この記事を書いた人

福山達也