パン生地中毒:Bread Dough Toxicosis

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パン生地中毒とは?

 パン生地中毒は、イーストを主成分とする生のパン生地を摂取した場合に起こる可能性があります。知らない人からするとそんなもので?と思うかもしれませんが、特に自家製パンを作るご家庭などで注意が必要です。
 特に犬は無差別になんでも食べる習性があるので気をつけましょう。

パン生地中毒の原因

 イーストを含むパン生地を飲み込んだ場合、胃内環境はイーストの発酵に適している条件なので、パン生地の膨張とイーストによるエタノールの産生が促進されます。これにより中毒が起こります。

パン生地中毒の症状

 パン生地の発酵により、エタノールが産生され、嘔吐、酩酊、中枢神経系抑制といったアルコール中毒の症状が出ます。いわゆる酔っぱらったような状態です。また、発酵によりパン生地は膨張し膨れ、胃を圧迫し、循環障害や呼吸障害などを起こします。そして、拡張が激しい場合、胃拡張・胃捻転症候群が起こることもありますので、危険です。

 エタノール中毒は早ければパン生地を摂取して30分とかで起こります。遅いと2時間以上してから症状を現します。最悪の場合死に至ります。

パン生地中毒の診断/検査

 一般に、問診や身体検査、視診、触診などを行い、次にレントゲン検査超音波検査などを行います。血中アルコール濃度の測定が診断に役立ちますが、普通の動物病院ですぐに行うことは難しいでしょう。エタノロール中毒の状況や全身状態を把握するためには、血液検査血液化学検査尿検査なども必要になります。

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この記事を書いた人

福山達也