多発性嚢胞腎

多発性嚢胞腎とは?

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)とは、腎臓に多数の嚢胞(液体などがたまった袋状の構造)ができ、不可逆性(一度起きてしまうと元に戻らない)で、腎機能が徐々に低下していく遺伝性の病気です。多発性嚢胞腎は、ヒトでは難病指定されている疾患です。

特にペルシャ猫(日本での報告で70%)や、ペルシャ猫と血縁関係のある長毛猫に多く見られますが、日本では、アメリカン・ショートヘアやスコティッシュホールド、雑種などでみられ、1,000頭に1頭くらい、いるんではないかと言われています。

多くの場合、気づかないまま進行し、4歳から7〜8歳くらいまでの間に腎不全の症状が見られるようになります。

多発性嚢胞腎の原因

多発性嚢胞腎は遺伝性の病気であることがわかっていますが、それだけでなく尿管結石も関与しているのではないかとの報告もあります。まず、腎臓を構成するタンパク質を作る遺伝子の異常により、腎臓に小さな嚢胞ができます。嚢胞は加齢に伴って徐々に数を増やしながら大きくなっていき、その結果、腎臓が腫大し、正常な腎臓の組織が失われていくため、腎機能が低下していきます。

多発性嚢胞腎の症状

腎臓に嚢胞が形成されても初期の段階では症状を示しません。この病気の進行はたいへんゆっくりで、腎機能も徐々に低下していくことにより、体が順応してしまうため、状態が進むまで目立った症状がみられないのです。

嚢胞の数が増えたり、大きくなってきて腎臓の障害が大きくなると、多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水、貧血といった慢性腎臓病と同様の症状がみられます。多くは4歳から7〜8歳くらいまでの間にこのような症状があらわれます。

多発性嚢胞腎の診断/検査

レントゲン検査超音波検査を行います。嚢胞の確認には超音波検査が適しています。また、CT検査が行われることもあります。
腎臓の機能を把握するために血液検査血液化学検査尿検査も必要になるでしょう。

多発性嚢胞腎の治療

残念ながら、現在のところ、今多発性嚢胞腎を完治させる治療法は見つかっていません。腎機能の低下が見られる慢性腎臓病と同様の治療を行います。

多発性嚢胞腎の予防

猫の多発性嚢胞腎は常染色体優性遺伝であることがわかっていて、両親のどちらかがこの病気を持っていると、子どもは50%の確率で発症することになります。ですからこの遺伝子持つ猫は、去勢あるいは避妊手術をして、繁殖させないことが大切です。

多発性嚢胞腎の看護/その他

ペルシャ系やアメリカン・ショートヘアなど、この病気がよく見られる猫種の場合は、1歳頃(10ヶ月齢から分かると言われています)に健診を行い超音波検査で腎臓をチェックすべきです。ただし、腎臓に嚢胞を形成する病気は他にもありますので、腎臓に嚢胞があるだけでは多発性嚢胞腎というわけではありません。その後遺伝子検査をすることが望まれます。

多発性嚢胞腎を持つ猫の一部は肝臓にも嚢胞をもつという報告(日本での報告で20%)がありますので、超音波検査を行う場合には肝臓もチョックしてもらいましょう。

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参考文献・資料等
  1. 猫の診療指針Part1.174-179,370-375


<1>.シャルトリューに認められた多嚢胞性腎疾患
<2>.イギリスにおけるペルシャ猫の多発性嚢胞腎の罹患率
<3>.ペルシャ猫における被毛の色、進行性網膜萎縮および多発性嚢胞腎との間の遺伝的関連性の欠如
<4>.ペルシャ猫の常染色体優性遺伝性多嚢胞性腎疾患
<5>.フランスのペルシャ猫およびペルシャに近縁な猫における多発性嚢胞腎の発生率
<6>.イタリアのペルシャ猫およびエキゾチック・ショートヘアー猫におけるPKDの有病率と早期診断における超音波検査の有用性
<7>.多発性嚢胞腎のペルシャネコにおける平均動脈圧の上昇及びアルドステロン対レニン比
<8>.常染色体優性遺伝による猫の多嚢胞性腎症における、腎臓の超音波およびCT所見、容積、機能