口内炎(猫慢性口内炎)の治療
口内炎の治療は、一般的に抗生剤や抗炎症剤、免疫抑制剤、猫インファーフェロン製剤<3>(但し、無効という報告もある)などを投与します。口内炎を起こしている原因がある場合にはその治療も行います。歯垢や歯石が原因の場合はスケーリングや口の中の洗浄を行ない、糖尿病や感染症が原因としてある場合にはその治療も行います。
補助療法として各種サプリメント(eFace-V、インターベリー-αなど)やレーザー治療などが併用されることもあります。
治りにくい猫の慢性口内炎の場合は、全抜歯といって全部歯を抜いてしまうこともあります。ただ、これは一般の動物病院ではなく歯科を専門にしている動物病院や大学病院で行ってもらうことをお勧めします。
猫の難治性口内炎は治りにくく、世界中の獣医師やキャット・オーナーを悩ませる病気の一つです。大抵内科治療は一旦改善しても短期間で再発を繰り返し、生涯治療が必要です。
口内炎(猫慢性口内炎)の予防
口内炎は、早期発見、早期治療が重要です。日頃から口や口の中をなどをよく観察することが重要です。
また、歯周病の管理が重要です。歯磨きやプラークコントロールを心がけるようにしましょう。歯垢の除去を行い、歯磨きの習慣をつけましょう。歯石の除去には、多くの場合全身麻酔が必要となります。
さらに、猫の場合原因として、猫免疫不全ウィルス(FIV)感染症や猫白血病ウィルス(FeLV)感染症、猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウィルス感染症)、猫カリシウィルス感染症などの感染症が考えられています。これらの病気をワクチンで予防することは非常に重要です。
研究では、多頭飼育は慢性口内炎になりやすい[4]と報告されています。また、この研究では猫の頭数が増えれば増えるほどそのリスクが高くなる[4]ことも報告されています。そうなるとストレスなども関係している可能性が高く。猫のフェロモン製剤(フェリウェイ)などが幾らか効果があるかもしれません。フェリウェイは当院でも販売しております。ご相談ください。
口内炎(猫慢性口内炎)の看護/その他
口に痛みがあると食べれません。様々な方法で栄養補給を行う必要があります。ご家庭では食欲不振も参考にしてください。
pets
動物医療保険をお持ちの方は診察前に保険証を提示してください!
library_books
参考文献・資料等
- 猫の臨床指針Part2.
- 小動物臨床指針;24
- Bovine lactoferrin and piroxicam as an adjunct treatment for lymphocytic-plasmatic gingivitis stomatitis in cats
- Feline chronic gingivostomatitis is more prevalent in shared households and its risk correlates with the number of cohabiting cats
- Chronic Feline Gingivostomatitis: Proven Therapeutic Approaches & New Treatment Options
- Proven Therapeutic Approaches & New Treatment Options
- 猫の歯肉口内炎
- Feline Chronic Gingivostomatitis
- Evaluation of the efficacy of the subcutaneous low recombinant feline interferon-omega administration protocol for feline chronic gingivitis-stomatitis in feline calicivirus-positive cats
- Interferon-Omega for Feline Stomatitis
<1>.一次診療獣医病院での猫の慢性歯肉口内炎の罹患率
<2>.Bartonella属、猫ヘルペスウイルス1、猫カリシウイルス、猫白血病ウイルス、および猫免疫不全ウイルスと猫の慢性歯肉口内炎に関する評価
<3>.猫組み換えインターフェロンオメガを用いた猫の難治性慢性歯肉口内炎症例の治療
<4>.慢性歯肉口内炎に罹患した猫の唾液中および血清中の免疫グロブリン濃度
<5>.猫の慢性歯肉口内炎の消失と同時に停止したカリシウィルスの排泄
[WR21,VQ21:]
■VMN Live
・