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アセトアミノフェン中毒とは?
アセトアミノフェン中毒の原因
アセトアミノフェン中毒の症状
アセトアミノフェン中毒の症状は様々です。摂取1〜2時間後くらいから現れ、初期の症状は元気がない、食欲不振、嘔吐、流涎などで、続いてチアノーゼや顔面の浮腫、時には黄疸が見られます。また、出血性の胃潰瘍を起こす事もあります。中毒が進むと重篤な肝障害、腎障害が見られるようになり、呼吸困難や昏睡がおこり死に至ります。
これらはアセトアミノフェン中毒が、メトヘモグロビン血症と溶血性貧血を引き起こすために起こります。赤血球内のヘモグロビン(全身に酸素を運ぶ物質)がアセトアミノフェン中毒により酸化されメトヘモグロビンへと変化し、ハインツ小体が形成されます。このハインツ小体がつくられると赤血球が壊され、ハインツ小体性溶血性貧血を引き起こします。
アセトアミノフェン中毒の診断/検査
重要なのは問診やシトラス臭の確認です。その後、一般身体検査、血液検査、血液化学検査、尿検査が必要になります。
外部検査機関に依頼すれば、血液や尿からアセトアミノフェンを検出する検査もできますが、時間もかかり中毒の診断としては実用的ではありません。
シアセトアミノフェン中毒の治療
接種後1〜2時間以内で、臨床兆候が認めらら得ない場合は、催吐処置といって、まず吐かせます。その後、胃洗浄を行い、活性炭投与を投与します。接種後2時間以上経過していたら活性炭を投与します。
摂取後8時間以内であればN-アセチルシステインの投与が有効です。
さらに輸液や輸血、酸素吸入などの対症療法を行います。
アセトアミノフェン中毒の予防
動物や子供の手の届くところに薬を置かない。薬箱などは簡単に開けられないようにすることを日頃から心がけて下さい。
また、信じられないことですが、未だに、猫のウィルス性鼻気管炎を人の風邪と同じだと勘違いして、人の風邪薬を飲ませてしまう人がいますが、大変危険です。人の風邪薬は絶対に猫に投与してはいけません。ちなみに犬に「風邪」という病気はありません。
アセトアミノフェン中毒の看護/その他
薬を誤飲したと思ったら、できればその薬の箱や包装などを持参していただけると解決策や解毒剤が速やかに分かることがあります。
アセトアミノフェン摂取から処置までの時間が短ければ短いほど、治療効果が高いことが分かっています。17時間以上経過すると死亡する危険性が高いとする報告がありますので、摂取したことがわかったら緊急で動物病院を受診すべきです。
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参考文献・資料等
- 猫の臨床指針Part1; 37-41:猫の薬理学
- 猫の臨床指針Part1; 365:アセトアミノフェン
- 伴侶動物のための救急医療.234-235
- 犬と猫のエマージェンシー対応