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巨大結腸症とは?
巨大結腸症(こだいけっちょうしょう)とは、結腸が巨大に拡張し、排便困難となり、慢性的に重い便秘を引き起こす病気です。特に中年齢の雄猫で多くみられる病気です。
巨大結腸症には様々な原因疾患に伴って起こる二次性巨大結腸症と、原因になる疾患が認められない特発性巨大結腸症があり、巨大結腸症の約6割は特発性巨大結腸症です。
巨大結腸症の原因
結腸に慢性的に便がたまると、便の水分が吸収され、非常に硬くなり、排泄されづらくなり、便秘が起こります。その結果、たまった便によって結腸が伸び、結腸が動かなくなる結腸無力症という状態になります。
二次性巨大結腸症は、偏った食事や生活環境、結腸の神経異常、脊髄疾患、腸管や肛門の狭窄、交通事故等による骨盤骨折、腸管内外の腫瘍による圧迫、毛玉、異物などによる通過障害など様々な原因により起こります。
猫は特に巨大結腸症で便秘になることが多いのですが、その原因の6割は特発性と言われ、原因不明です。
巨大結腸症の症状
慢性的に便秘が続くと、排便姿勢を繰り返えす、排便時に痛みから悲鳴をあげる、いきんで吐く、などの症状が見られ、食欲や体重が落ち、脱水症状を起こすこともあります。
ご家庭ではここに掲載した「糞便スケール」を参考に日頃からウンチの硬さを観察しておくと良いでしょう。もしも1や2だと思われるなら、早めに当院を受診してください。
巨大結腸症の診断/検査
特発性巨大結腸症の診断は二次性巨大結腸症の除外診断です。このため、問診、身体検査、神経学的検査、腹部レントゲン検査や超音波検査などを行い確認します。他には、全身状態を把握するために血液検査、血液化学検査、尿検査、なども必要になるでしょう。
※一般に犬も猫も、レントゲン検査で結腸の太さが、第7腰椎の長さの1.5倍以上あれば巨大結腸と判断されます。
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