アボカド中毒:Avocado Toxicity

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アボカド中毒とは?

 健康食品としても人気で、不飽和脂肪酸を多く含むことから「森のバター」とも呼ばれるアボカドですが、犬にとっては中毒症状を引き起こす恐れがあります。
 ちなみにこのページでは犬を中心に解説しますが、アボカド中毒は、ウシ、ヤギ、ウマ、マウス、ウサギ、モルモット、ラット、ヒツジ、セキセイインコ、カナリア、オカメインコ、ダチョウ、ニワトリ、七面鳥、および魚類などで心筋壊死や乳房炎が見られます。

アボカド中毒の原因

 アボカドに含まれるペルシン(persin)という成分が犬にとっては毒性が強いため、中毒を引き起こす原因になります。ペルシンはアボカドの葉、皮、種子、果実に含まれていて、葉が最も危険だとされています。
 中毒量はアボカド自体に含まれるペルシンの含有量によります。アボカドは世界で1,000種類以上あると言われます。特に日本で販売されているハス(Hass)というグアテマラ系のアボカドはペルシンの含有量が多いため犬にとっての毒性が強いと言われています。

アボカド中毒の症状

 犬のアボカド中毒は個人差が激しいようでが、主な症状は消化器症状である嘔吐、軟便、下痢、腹痛で、重篤になると呼吸困難、痙攣発作などが起こります。また、雌(メス)で、授乳中の場合は乳腺炎が起こることがあると報告されています。

アボカド中毒の診断/検査

 診断は問診などから疑うしかないでしょう。全身状態を把握するためには血液検査血液化学検査尿検査などが必要になります。

アボカド中毒の治療

 治療は、制吐剤や下痢止め、鎮痛剤や利尿剤、点滴などの対症療法や支持療法が一般的です。

アボカド中毒の予防

 アボカドの拾い食いや盗み食い、蓋のないゴミ箱にアボカドや種を捨てないように気をつけてください。

アボカド中毒の看護/その他

 アボカドを食べたからといってすぐにすべての犬が重篤化するわけではありませんが、わざわざ与える必要はないでしょう。それよりも、種は飲み込むと気道に詰まり窒息したり、消化管に詰まったりする恐れがあるので、適切に処理しましょう。
 また、アボガドは死亡含有量が多いため膵炎を起こすリスクが高いと指摘されていますので、こちらも含め与えないほうがいいでしょう。
 人で大丈夫なもの、人に良いものが犬や猫にも大丈夫だとは限りません。特に食べ物には注意したいものです。例えば、アボガドが動物にとって良くない食べ物であることを知っていますか? 例えばビールづくりや園芸に用いるホップでも中毒が起こるとがります。人に良いものが動物にも良いとは限らないということを知っておいて下さい。
ボガド

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参考文献・資料等
  1. Putative avocado toxicity in two dogs
  2. Some food toxic for pets
  3. Avocado Toxicosis in Animals

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この記事を書いた人

福山達也