BUN(血中尿素窒素)とは?
血中尿素窒素(BUN)は血液中の尿素窒素量を測定し、主に腎腎臓機能や肝臓機能の状態を調べる検査項目です。尿素窒素とは体内でできたタンパク質の老廃物で、肝臓でアンモニアと二酸化炭素をもとに作られ、尿として排出されます。
クレアチニンとあわせて検査をおこない、総合的に腎臓機能を評価します。
参考基準値(富士ドライケム) | ||
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犬 | 猫 | 単位 |
9.2〜29.2 | 17.6〜32.8 | mg/dL |
※こちらの基準値は当院で使用しております。富士ドライケムの参考基準値です。他の測定器や外注検査では異なりますので、ご注意ください。
BUNが高値↑のときは?(高血中尿素窒素)
BUN(血中尿素窒素)が上昇している場合、腎臓機能が低下している可能性があります。この検査は前述のように通常Cre(クレアチニン)と一緒に評価されます。
BUNが上昇している場合、その原因の場所により、腎臓より前に原因のある腎前性、腎臓に原因のある腎性、腎臓より後ろに原因がある腎後性の大きく3つに分けられます。
腎前性のBUN上昇には、脱水、心機能障害、ショック、副腎皮質機能低下症などが考えられます。
腎後性では、尿管閉塞や尿道閉塞[猫]、膀胱閉塞などの尿路閉塞、膀胱破裂などの外傷、腫瘍、結石などが考えられます。
※ある種の薬などでも上昇することがありますので、何か薬やサプリメントを飲ませている場合は必ずお申し出ください。
BUNが低値↓のときは?(低血中尿素窒素)
BUN(血中尿素窒素)が低い場合は、まず、食餌の質(低タンパク)や栄養状態を確認します。あとは、輸液や利尿剤などが使われていないかを確認します。尿崩症や副腎皮質機能亢進症などの病気でも低下することがあります。
肝臓の状態が悪い場合もBUNが低下しますので、合わせて肝臓機能も確認します。肝硬変や門脈体循環シャントの肝臓の病気があるとBUNが低下することがあります。
新生子や妊娠の場合はBUNが低めに出ることもあることを知っておくと良いでしょう。
※ある種の薬などでも低下することがありますので、何か薬やサプリメントを飲ませている場合は必ずお申し出ください。
血液検査・血液化学検査に関する注意点
- 検査の結果が「基準値」から外れていても必ずしも異常を示すものではありません。他の検査項目や症状などと見比べる必要があります。詳しい結果の解釈につきましては、その都度お話いたします。
- 当院ではセカンドオピニオンのためにも必ず検査データをお渡しします。動物病院で血液検査・血液化学検査・尿検査などを行った場合は必ず検査結果をもらうことを推奨します。それは病気の経過を判断したり、セカンドオピニオンを受ける時に役立ちます。今どき、検査結果をもらえない病院はおかしいと思ったほうがいいでしょう。
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動物医療保険をお持ちの方は検査前に保険証を提示してください!
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参考文献・資料等
- 伴侶動物医療のための鑑別診断;279-282:尿素
20 WR、20 VQ