猫の病気のわずかな徴候を知ろう

猫の病気の解説キャット・オーナーは愛猫の些細な変化としてどのようなことに注意すればよいと思いますか? 些細な変化にはどのくらいの意義があるのか知っておくことは病気を早く見つけたり、重症化を防げる可能性がありますので、ぜひ以下を知って、このような行動が見られたら早めに当院を受診してください。
猫は弱みをみせないために病気の徴候を非常に上手く隠してしまう動物です。あなたが、わずかな病気の徴候を察知してくれることを待っています。以下を忘れないで下さい。。。

Cats hide their illness.
猫は自分の病気を隠す

1. 不適切な排泄:

猫トイレ猫が故意にそうしたと考えるかどうかは別にして、愛猫がトイレを避ける、または使わなくなったとき、それはあなたに何かを知らせようとしています。そのメッセージは身体的不快感かもしれないし、心理的苦痛なのかもしれれません。身体的な原因には膀胱や腸の炎症、関節炎、甲状腺機能亢進症、糖尿病、認知障害などがあります。心理的苦痛は社会的妨害、退屈、猫としての多様な行動を取る機会が不足している、他の動物や子供、大人によって生じるストレスに起因することがあります。

2. 関わり合いの変化:

愛猫があなたや他の人、他の動物、環境との関わり方が変化した場合は、疼痛や苦痛を示している可能性があります。

3. 活動性の変化:

活動量の減少は突然起こることも、徐々に起こることもあります。徐々に起こった場合は〝単に年を取った〟せいにされることが多いものですが、知っておいて欲しいのは、健康な猫が加齢によって〝動きが鈍くなる〟という医学的根拠はないため、その原因を探すべきであるということです。評価すべき問題としては、脱水、および関節炎を含む何らかの原因による疼痛、低カリウム血症などがあります。また、その逆のこともあります。 たとえば、以前は普通だった猫の活動量が増加した場合は、特に、甲状腺機能亢進症や高血圧のような疾患の始まりを表している可能性があります。

4. 睡眠習慣の変化:

猫睡眠これは、睡眠時の姿勢だけでなく睡眠パターン(昼夜の時間)の変化も指してます。疼痛や認知障害のある猫は、以前よりも長時間眠る場合と、短時間寝る場合とがあります。 FIV(猫エイズ)感染では後者のことが生じる可能性があります。夜間に悲しげな声で鳴くのは、視覚や聴覚の低下、高血圧、 甲状腺機能亢進症、疼痛、認知障害などを示唆しています。

5. 食物摂取や水分摂取の変化:

これも睡眠と同様に、量だけでなく、その活動に伴う行動変化についても示しています(場所、回数、1 回の摂取量、体の姿勢など)。
※猫は1日でも食べなければ明らかに異常です。しばらく様子を見てからから病院に行こうなどしてはいけません。できるだけ早く受診すべきです。

6. 説明のつかない体重の減少・増加:

以前肥満であった猫の体重が急に減少すると、良いことだと思うかもしれませんが、適切な食事療法によるものであれば大抵、劇的な変化をみることはありません。 ましてや食餌を変えていないのに急に体重が減少するにおであれば何か原因があります。
口の痛みから食欲不振になることがありますし、ゆるやかな体重減少は加齢に関連していることもありますが、スクリーニング検査を行うべきです。
体重増加はカロリーの過剰摂取によるものが最も多いものですが、 腹水や胸水貯留が原因のこともあります。体重やボディ・コンディション・スコア、体重変化率を繰り返し評価することが有用な方法です。

7. グルーミングの変化:

過剰なグルーミングは皮膚の刺激(アレルギー、ノミ、乾燥)、神経障害、心因性(エンドルフィンを放出してストレスを軽減させる方法として)に起因することがあります。
グルーミングの減少は、おもに関節炎や口―歯の疼痛が関連しているものが多いものです。毛球は皮膚疾患、心因性、消化管運動の変化、疼痛の徴候としてもみられる場合があります。

8. ストレスの徴候:

前述した不適切な排泄と過剰なグルーミングのほかに、隠れる、食べ物以外のものを囓る、尾を大きく振る、耳をいつもよりも後ろ側に寝かせるといったことも苦痛の徴候です。

9. 鳴き方の変化:

夜間に悲しげに鳴くことは 1 つの例ですが、ほかにも声の調子、高さ、切迫感お よび頻度などが変化することも異常の現れです。

10.口臭:

様々な口腔疾患や歯科疾患が口臭の原因になります。たとえば、歯周病が猫では極めて一般的ですが、感染性潰瘍、腫瘍、唾液腺炎、膿瘍が原因のこともあり、また肛門嚢や体の感染部位からグルーミングを通じて臭いが全身に広がることもあります。

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参考文献・資料等
  1. Health & Wellness
  2. 米国猫医療専門医による猫のシリーズセミナー”猫の手 借りよう!”猫医療臨床セミナーvol.1

この記事を書いた人

福山達也