※電話などでの各種病気に関するお問い合わせは、通常診療業務に支障をきたしますので、当院をご利用のペットオーナー以外はご遠慮ください。まずはご自身のかかりつけ獣医師にお問い合わせください。ご理解とご協力をお願いいたします!
食欲不振とは?
食欲不振(しょくよくふしん)は病気の名前ではなく、症状の名前です。食事の量が減った、食欲にむらがある、あるいは全く食事をとらなくなることを食欲不振といいます。特に全く食べない場合は「食欲廃絶(しょくよくはいぜつ)」といいます。病気の中には、異常に食欲が増すもの(例:糖尿病)、食べても食べても痩せるもの(例:甲状腺機能亢進症)なども稀にありますが、このような特殊な病気を除いて、ほとんどの病気で食欲不振が起こります。時々「食欲不振なんですが、どんな病気が考えられますか?」と聞かれますが、食欲不振からは獣医学の本に記載されているほぼすべての病気が当てはまると言っても過言ではありません。また、病気以外の原因で食欲が低下することもあるので見極めが大事です。
ペットオーナーの皆さんが知っておかなければならない重要なことは、食欲不振が見られた場合、いつまで様子を見ていいのか? 食欲がないときにどのように食べさせるかだと思います。
食欲不振の原因
恐怖、不安定,興奮、ストレス、痛み、発熱、薬剤などでも食欲はなくなります。また環境の変化(例:引越し、旅行中、来客)という場合もあります。他には発情期、出産です。また、食餌そのものに問題があることもあります。同じ食餌に飽きてしまうということもありますし、いつもと違うものをあげた場合に拒否するということもあります。もちろん、前回の食事でたくさん食べ過ぎて、まだおなかがすいていないということもあるでしょう。
これらが否定されれば病気の可能性が出てきます。もちろん他に元気がない、嘔吐する、下痢するなど症状があればそれは病気の徴候です。
食欲不振の症状
食欲不振と判断する基準としては、まず普段食べている量というのはほぼ一定したものであるはずで、これがばらつけば食欲不振のはじまりと考えられます。本当の食欲不振ならば1回だけでなく続くのが普通で、1食分食べなかっただけというのはあまり重大な問題ではないでしょう。食欲不振と判定するための「食べていない時間」も年齢によって違います。以下の猫に関するデータですが、犬も参考にしてください。食欲がないのが、1〜2カ月齢では8時間以内、2〜3カ月齢では12時間以内、3〜4カ月齢では16時間以内、1歳以上の成猫で24時間以内であれば、とくに異常ともいえません。これを超えるようであれば異常と判断して早めの対処が必要です(もちろん元気がないのであればこの時間を待つまでもなく当院にご相談頂くか、獣医師の診察を受けてください)。
年齢 | 様子を見れる時間 |
---|---|
1〜2ヶ月 | 8時間以内 |
2〜3ヶ月 | 12時間以内 |
3〜4ヶ月 | 16時間以内 |
1歳以上 | 24時間以内 |
食欲不振の診断/検査
まずは、食欲不振という症状だけでは診断は難しいと思われます。原因を探るために、詳しい問診、身体検査や血液検査、血液化学検査が必要になります。もちろん他に症状があるのであればそれらに関連した病気を探るためにレントゲン検査や超音波検査などをはじめウイルス検査、細菌検査など様々な検査も必要になるかもしれません。食欲不振からはほぼすべての病気が考えれれることを忘れないで下さい。
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