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大動脈血栓塞栓症とは?
特に猫では中年期から高齢期(平均7.7歳)に、心筋症に続発して非常に多く見られます。また、雄に多いと言われています。猫での有病率は0.3~0.6%と報告されています。
大動脈血栓塞栓症になると、血栓が腹部大動脈に詰まってしまい、後肢の血流を遮断してしまいます。そうなると、猫は突然、非常に痛がり、後ろ足が立てなくなり(後肢麻痺)、呼吸も荒くなります。
大動脈血栓塞栓症の原因
血栓は血管の壁が損傷したり、血液の流れが停滞したり、血液凝固能が更新して血液が固まりやすくなったりしてできやすくなります。
大動脈血栓塞栓症の症状
また、血栓が前足、脳、腎臓や消化管などの血管に詰まることがあり、詰まった場所により症状が異なります。完全に血流が止まると、後肢が壊死して腐ってきたり、下血をしたり、腎機能不全や痙攣を起こすなどして、命を落とすことも珍しくありません。
大動脈血栓塞栓症の診断/検査
より詳しい検査として、血管造影検査などが必要となることもあります。
大動脈血栓塞栓症の治療
低分子ヘパリンなどを用います。血栓溶解剤はそれなりに高価なので、使用できな場合や発症から1日以上経過している場合に用います。同時に、鎮痛剤や鎮静剤なども用い痛みの緩和を行います。この場合の死亡率は60%以上と報告されています。
ウロキナーゼやt-PA製剤など血栓溶解剤を用いいて原因となる血栓を溶かす治療です。発症してから数時間〜24時間以内が適応となります。しかし、この治療でも死亡率が50%以上と報告されていて、副反応や薬剤が非常に高額となります。そのため、現在では血栓溶解剤は猫の大動脈血栓塞栓症には推奨されていません[4]。
手術により血栓を除去する方法や血管内カテーテルにより除去する方法ですが、こちらも死亡率は高くなっています。また、全身麻酔が必要であり、心疾患が原因の場合はリスクが上がります。これらも現在、猫の大動脈血栓塞栓症には推奨されていません[4]。
大動脈血栓塞栓症の予防
大動脈血栓塞栓症の看護/その他
体温(直腸温)が37.2℃以下の場合、生存率が50%以下に低下し、1℃低下するごとに死亡リスクが2.25倍に増加するとの報告があります[3]。また、約半数は回復しても再発するとされています[3]のでいかに再発を予防するかも重要です。
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参考文献・資料等
- 猫の臨床指針Part1:117-123
- 猫の臨床指針Part1:326-333
- Arterial Thromboembolism in 250 Cats in General Practice: 2004-2012
- Feline Arterial Thromboembolism
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