・飼うことを決める前に
「動物の保護及び管理に関する法律」(動物保護法)が制定されて久しくなりますが、いまだに、捨て猫や捨て犬が見られることは、本当に残念なことです。この法律には「動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」と定められ、罰則規定もあり、愛護動物を遺棄した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するとあります。
こんな法律があるのもかかわらず、公園や空地、路地裏などに、生まれて間もない仔猫や仔犬が捨てられているのが後を絶ちません。こんなことは欧米先進国の人々にはとても考えられないこととして受けとめられていて、人として恥ずかしいことです。
ほんの一握りの心ない人たちによってなされているのに、日本人の動物に対する無神経さが非難されるのは、愛猫家、愛犬家にとって、たいへんなショックです。一日も早く捨て猫、捨て犬のいない日本にしたいものと強く望んでいる人も多いはずです。
心優しいあなたが、もしも、捨て猫、地域猫などを飼うようになってしまったときの注意点をいくつか述べてておきます。
①家に連れて帰って、その猫を最後まで飼育してあげられるかどうかまず考えましょう。
②その猫が健康であるか、どうかを確かめましょう。
③特にすでに猫を飼っている場合は、先住の猫と仲よくできるか考えましょう。
これらの点をよく考えてから、わが家に連れていくようにすることが、重要です。ただ、捨て猫をみてしまったから、かわいそうで仕方がないからなどと、安易に考えてしまうと、後日になってから、いろんな問題が起こることもあるので、くれぐれも一時の感情で判断しないようにしたいものです。
特に先住猫がいる場合、③の健康面については充分に注意してください。ノミが多く寄生していないか、あるいは猫白血病、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)など恐ろしい伝染病にかかっていないか、猫ウイルス性呼吸器感染症(猫風邪)、新生児眼炎、皮膚病がないか、よく調べてから連れて帰りたいものです。
また、拾った猫を連れ帰ったときは、先住猫がいる場合は、直ちにわが家に入れることは控えましょう。もし、ほかの猫を家で飼育している場合は、たちまちのうちに寄生虫や伝染病に感染してしまうかもしれないので、連れ帰った猫を飼うことに決めたら、まず動物病院に行って、健康チェックや猫白血病、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)検査など受けてから、家に入れることをお勧めします。病気をもった猫を持ち込んだために、苦労した人も多くいるからです。人と猫とが楽しく、共同生活を送れ、快適なペットライフがおくれるように、配慮することを忘れないようにしましょう。
check 捨て猫・地域猫を飼うポイント
- 家に連れて帰る間に動物病院で健康診断と猫白血病、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)検査を受ける。
- 先住猫がいる場合は、いきなり一緒に飼育してはいけません(可能であれば2ヶ月ほどは別に飼育すべきです)
- 必ず猫白血病、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の検査を受けましょう。
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参考文献・資料等
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