猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)とは?

猫白血病ウイルス(FeLV)感染症は、猫白血病ウイルス(Feline Leukemia Virus:FeLV)の感染によって引き起こされる病気です。リンパ腫や白血病などの腫瘍性疾患、骨髄が犯されると貧血や白血球減少など様々な症状が見られます。
猫白血病ウイルス感染症は世界中でみられます。東京都内で約5%~10%の感染率が報告されていますが、外飼や地域猫の多い地域はさらに感染率が高く、罹患率30%との報告もあります。一番感染率が高いのは外飼でケンカの多い未去勢のオス猫です。
一般に若い猫に発症することが多く、猫の主な死亡原因の1つである恐ろしい伝染病です。但し、猫白血病ウイルス(FeLV)に感染した猫がすべて発症するわけではありません。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の原因

猫白血病ウイルス感染症の原因は、猫白血病ウイルス(Feline Leukemia Virus)の感染です。感染猫の血液中には感染力を持ったウイルスが存在し、唾液、涙、糞便中に排泄されます。感染経路は、おもに猫白血病ウイルス感染猫とのケンカによる咬傷感染ですが、他にも、グルーミングや食器の共有などによって唾液を介して感染したり、感染猫との長時間の接触、母子感染(垂直感染)などいろいろな経路により起こることもあります。
感染の危険度は年齢や生活様式により異なり、屋外飼育によるケンカ、感染猫との同居は高くなります。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の症状

潜伏期は2~4週間(まれに8週間以上という長期に潜伏することもある)で、猫白血病ウイルスに感染すると、初期症状として、発熱、元気消失、全身のリンパ節の腫脹、口内炎、貧血、白血球や血小板の減少などの症状が見られます。これらが通常1週間~数ヵ月間続きます。その後、症状がいったん治まったように見え、中には完全に回復する猫もいます。しかし、完全な回復に至らなかった猫では、体内に猫白血病ウイルスが潜伏し続けます。
体内に猫白血病ウイルスが潜伏して持続感染している猫でも一生症状を発現することなく寿命を迎える猫もいますが、中には感染後、数年でリンパ腫や白血病などの悪性腫瘍性疾患を発症する猫もいます。また、猫白血病ウイルスにより骨髄が侵され、再生不良性貧血や白血球減少症などを生じ、免疫力の低下が見られることもあります。持続感染猫は、感染から約3年以内に発症して、死亡するものも多くあり、感染後2年で63%、3年半で83%が死亡するというデータがあります。
このほか、体中の各種の細胞に感染するため、多様な病気が起こります。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の診断/検査

感染の有無は血液検査で分かります。検査方法には病院で簡単にできるものから検査所に血液を送って測定するものなどいくつかあります。動物病院では状況によってこれらを使い分けます。
特に成猫では猫白血病ウイルス感染が起こっても回復する猫もいます。その場合4ヶ月ほどするとウイルス検査が陰性になります。感染から4ヵ月以上、ウイルス検査陽性が続くと持続感染と言われ、終生ウイルス検査は陽性のままになります。ですから一度陽性が出ても何度か検査して感染の状況を把握することが必要です

○スクリーニング検査:ELISA(酵素免疫測定法)
(陰性):現在 FeLV には感染していないと思われます(ウイルス抗原陰性)。 ただし、FeLV猫に接触した可能性がある猫の場合は後日再検査をお勧めします。
(陽性):現在 FeLV に感染していると思われます(ウイルス抗原陽性)。 中には一過性で治ることもあるので、30日〜60日の間に再検査を行うか、あるいは外部機関で確認検査を行い本当に持続感染かどうか判定する必要があります。
(弱陽性):現在 FeLV に感染していると思われますが、ウイルスの発現が非常に少ないようです(弱陽性)。30日〜60日の間に再検査をお勧めいたします。

壱岐島でも多くの猫が猫白血病ウイルスに感染しています!
まずは、猫を飼育したら検査を猫白血病ウイルスに感染してないか検査受けましょう。すでに猫を飼っていて、新しい猫を迎える時には特にです。詳しくは猫白血病/猫エイズ検査を参照してください。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の治療

特異的で有効な治療法はなく、猫白血病ウイルス感染症にともなって様々な症状が現れるため、それぞれの症状にあわせて、抗生物質や抗炎症薬の投与、輸液などの対症療法を行います。また、インターフェロン、抗がん剤などを使用したり、貧血がひどい場合は輸血を行ったりします。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の予防

高感染地域の外飼猫には、ワクチン接種が有効です。猫を飼いはじめたら(もらった、拾ったは特に)まず病院で猫白血病ウイルスの検査を受けましょう。特に先住猫がいる場合は検査の結果が分かるまでは一緒にしてはいけません。
猫を室内で飼育し、他の感染猫との接触を避けることが、猫白血病ウイルの重要な予防策となります。外出する猫の場合は、猫同士のケンカを防ぐために避妊・去勢手術を行うことは、感染確率を減らせるとされています。
普段から十分な栄養と、清潔で快適な生活環境を心がけることも大切です。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の看護/その他

他の感染症にかからないように定期的なワクチン接種を行い、清潔で暖かい室内飼育を行い、ストレスの少ない生活をさせ、栄養バランスのとれた食事を与えましょう。
感染した猫は室内飼育することで地域に新たな感染を広げないことになります。また、どうしても室内飼育できないのであれば、避妊・去勢手術を行うことは、地域の感染確率を減らすことになります。
多頭飼育で同居猫がいる場合は必ず全ての猫を検査して感染の有無を確認しましょう。定期検診を受け、異常を感じたら早めに動物病院を受診して対処しましょう。
猫白血病ウイルス(FeLV)は人間には感染しないとされています。